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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

リニアモーターをつくろう

2024年9月6日
名古屋工業大学 工学部

はじめに

 磁力と電気はどちらも目には見えませんが、磁石はものを引き寄せたり反発させたり、電気は電球を光らせたりモーターを回したりする力を持っています。今回は磁石と電池の力を使ってリニアモーター制作してみます。

リニアモーターとは

 リニアモーターは「直線のモーター」という意味になります。軸を回転させるモーターを直線に引き延ばしたもののことを指します(図1)。直線に伸ばした際内側は車両、外側がレールになるイメージになります。S極とN極の引き付ける力と反発する力を利用して車両を浮かしたり、動かしたりします(図2)。

図1 通常モーターを直線にするイメージ図1 通常モーターを直線にするイメージ
図2 磁力による推進と浮上図2 磁力による推進と浮上

ローレンツ力

 磁力と電流を流すと一定の向きに力がはたらくという原理は「ローレンツ力」と呼ばれています。この磁力と電流、力の向きの関係は「フレミングの左手の法則」(図3)とで表すことができます。この原理を使って力の向きへ物体を動かします。

 リニアモーターの原理を使った電車はすでに大都市地下鉄などで営業運転がされています。

図3 フレミングの左手の法則図3 フレミングの左手の法則

使用する材料(図4)

  • 円形フェライト磁石(直径2cm)15~20個
  • 透明プラスチック下敷き(A4)1枚
  • アルミテープ 2cm×30cm 2枚
  • アルミホイル 5cm四方 1枚
  • ストロー 1本
  • 単一電池 2個
  • 電池ボックス 2個
  • クリップ付きリード線
  • メラミンスポンジ 4cm角 1個
図4 使用する材料図4 使用する材料

使用する道具

  • ハサミ
  • カッター
  • 定規
  • 両面テープ
  • カッターマット

制作手順

 下敷きを幅4cm×30cmで切り出す。

 切り出した下敷きに磁石・アルミテープを貼るための印をつける。

 下敷きの両端にアルミテープを貼り付ける。皺ができないように注意する。

 下敷きの真ん中に両面テープを貼り、磁石を貼り付けていく。この際注意する点として磁石の極(S/N)をそろえて貼り付けること。これでレールが完成。

 ストローを5cm程度の長さに切り、アルミホイルを巻き付けテープでとめる(通電を邪魔しないようにテープを貼る場所には注意)。

 電池ボックスを組み立て、クリップ付きリード線を取り付ける。

図5 完成写真図5 完成写真

実験手順

 電池ボックスに電池を入れる。

 磁石面を下にしたレールに電池ボックスから伸ばしたクリップをつなぐ。

 アルミホイルを巻いたストローをレールにまたぐように置くと前か後ろに動き出す。

 クリップを左右逆にして電極を逆にするとストローの動きも逆になります。

  • ※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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