お茶からカフェインを抽出しよう |
「カフェイン」は、コーヒー豆や茶葉などに含まれ、興奮作用や利尿作用などの薬理効果を及ぼします。風邪薬や頭痛薬にも入っています。この身近で重要な化学物質を純粋な固体として抽出し、顕微鏡観察・呈色反応・紫外可視吸収として見てみましょう。
茶葉 5g、水酸化カルシウム 2g、エタノール 15mL + 2mL、ヨウ化カリウム溶液、硝酸ビスマス溶液、活性炭、
電子天秤、薬包紙、ドライ真空ポンプ、ブフナーろうと、吸引びん、ろ紙、ろうと、バーナー等、湯浴、ビーカー、
メスシリンダー、撹拌棒、試験管、薬さじ、駒込ピペット、軍手、顕微鏡、紫外可視分光器
茶葉の入った水を10分間煮沸して濃いお茶としてカフェインを抽出します。茶葉を吸引ろ過で除きます。
水酸化カルシウムを入れて3分間煮沸すると、タンニンやたんぱく質が沈殿します。これを吸引ろ過で取り除きます。
純度の高まったろ液を蒸発乾固寸前まで濃縮し、不溶性成分を吸引ろ過で除去します。焦げないように注意。
エタノールを加えてカフェインを溶かし、活性炭と一緒に湯浴で加熱します。直火は引火の危険があります。
ろ過するとカフェインを含んだエタノール溶液が得られます。ビーカー内壁についた固体も洗い流します。
エタノールを蒸発させてスライドガラスにとると、カフェインの針状の結晶が得られます。
ヨウ化カリウム溶液と硝酸ビスマス溶液を加えると、カフェインは鮮やかな橙色の呈色反応を示します。
紫外可視吸収スペクトルを測定すると、芳香環に特有なπ―π*遷移と呼ばれる吸収と、窒素の非共有電子対のn-π*遷移が観測されます。
(電気通信大学 山北佳宏、若月洋次)
掲載大学 学部 |
電気通信大学 情報理工学部 | 電気通信大学 情報理工学部のページへ>> |
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |