バイオエタノールを推進薬に用いた |
航空宇宙機システム研究センターでは十勝や苫小牧製のバイオエタノール(BE)を燃料とする超音速ジェットエンジンやロケットエンジンの基礎研究開発を行っています。
通常、エンジンから炭酸ガスなどが排出されますが、BEは植物由来でカーボンニュートラルなので、植物に吸収され環境に優しいクリーン燃料です。BE関連の燃焼特性把握やエンジン材料に及ぼす影響などの解明をめざし、本学白老エンジン実験場で燃焼や材料適合性実験を外部機関と共同研究などで行っています。以下に研究概要を紹介します。
金属材料(Cu、 Ni、 Alなどの合金)は燃焼室、推進薬タンク、配管などに使用され、高分子材料(樹脂、ゴムなど)はOリング、バルブシートなどに用いられます。
アルミニウム合金(A6061)は、高温、高圧下(400 [K]、5 [MPaG])では深刻な影響を受け(図3)使用できません。
試験前
試験後
表面にニッケルメッキ処理し、図4に高温、高圧下(400 [K]、 10 [MPaG])でBEに曝した場合の写真を示しますが、腐食は起こりません。
試験前
試験後
また、図5のようにアルマイト処理し高温、高圧下(523 [K]、10 [MPaG])での結果も適合性があります。
試験前
試験後
図6にエポキシ系CFRP材料を高温、高圧のBEに曝した時の変化を示しました。高温、高圧(523 [K]、 10 [MPaG])に曝されると積層構造が破壊されます。
試験前
試験後
図7のようにニッケルメッキ処理し高温、高圧に曝した場合、変化せず適合性を示しました。
試験前
試験後
金属(アルミニウム合金)および高分子材料(CFRP)はBEに対し高温、高圧下で適合性を有さないが、ニッケルメッキまたはアルマイト処理により優れた適合性を発揮することが明らかになった。
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