大学生活で学べる身に付くたくさんのこと |
僕は秋田大学大学院工学資源学研究科で材料工学を専門としています。その材料工学のなかでも無機材料であるファインセラミックスについて日々研究しています。耐熱や強度など機械的特性に優れており、耐火材や構造材のみならず歯科材料や半導体材料など幅広い分野で活躍しているファインセラミックス。セラミックスはとても硬いので加工することはなかなか難しく、目的の形状に仕上げるには高度な技術が必要となります。そこで従来の製造法に比べて容易に作製するために、軽石のように多孔質にしたセラミックス材料を切削加工により目的の形状にしたのちに高温で焼結し、機械的特性の良いセラミックス製品を作り出す方法の確立を目指しています。学部4年間で培ってきた材料の知識を総動員させ、誰もやったことのない、答えの見えない課題に向かって研究をするというのは、冒険をしているようでとても興味深く面白いものです。
材料工学を研究する一方、学生団体である秋田大学学生宇宙プロジェクト(ASSP)に所属し、学生の手によるロケット・人工衛星を作製しています。昨年は学生作製の小型人工衛星をハイパワーロケット(大型モデルロケット)で打ち上げて衛星の性能を競う、ARLISS(A Rocket Launch for international Student Satellites)という競技会に参加しました。ARLISSは米国のネバダ州ブラックロック砂漠にて行なわれ、全国の学生が作製した衛星が米国ロケットチームのハイパワーロケットに積載され打ち上げられます。衛星は高度4kmで放出され、パラシュートやパラフォイルなどにより自立制御しながらゆっくり降下し、目標地点を目指します。地上での度重なる運用試験ではうまく動作しても、実際に打ち上げてみると、ロケットの打上時や放出時、衛星の着陸時の加速および振動、衝撃などさまざまな外因により故障してうまく動作しないという結果に終わることがあります。普段の講義ではなかなか体験できない実践的なプロジェクトを通して、周りより一歩進んだ技術力や思考力が身に付いたと実感しています。
大学生活というのは思いのほか色々なことができます。何をするかは自分次第。視野を広げて、色々なことにたくさんチャレンジしてみてください。必ずや充実した生活を送れると思います。
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |