川の環境を守る「水制(すいせい)」 |
川に起きている流れや川とその周辺の環境は、地球温暖化によって急激に変化しています。例えば、突然の大雨により、地滑りが起きて山の土砂が崩壊します。また、その土砂が川に流れることにより水質が悪化することや、川から水があふれ、周辺の家屋が浸かってしまったりします。
それとは反対に、雨がまったく降らなくて、渇水(かっすい)が起き、水道水や農業用水などが足りなくなることや、川に水が無くなって魚や虫が生きられなくなることがあります。
みなさんは、水制(すいせい)と呼ばれている河川にある突堤のようなものを見たことがありませんか?実は・・・この水制は、普段は草木に囲まれて影を隠していますが、洪水時には堤防を守ったり、魚などの河川生物の隠れ家としての役割をしてます。今、河川を研究している人たちは、水制について、このような河川生態系を守るための調査や実験を盛んに行っています。
水制は、川から突き出しているのが特徴です。ドイツ・ライン川では、貨物船が、物資の輸送のために水制が使われています。また、河川生態系を守るためにも水制を用いて流れを遅くする工夫をしてます。
愛媛県西部を流れる肱川の水制(地元では「ナゲ」と呼ばれています)
日本の水制は、日本の川の特徴を表していると言えます。日本は、山が多くて平野が少ない地形のため、急で短い川が多いのです。このため、大雨が降ると川の水は急に増え、堤防が決壊し水があふれて災害が起きます。日本の水制は、このような災害から堤防を守りつつ、魚や水中昆虫などが避難できる場所としての役割を果たしています。
愛媛大学工学部水工学研究室では、河川環境を守るための水制の改良などについて研究を行っています。川のエキスパートになるために四国にあるいろんな川を渡り歩いています。興味がある人ぜひ水工学研究室で一緒に川で遊びませんか?
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