電気自動車は電池(リチウム電池やニッケル水素電池)に貯めた電気エネルギーを使って走らせます。ところが、 電池の性能が高くないために長い距離を走れません。この欠点を補うために、低速走行には電気モーターを、高速走行時にはガソリンエンジンを、その 中間では二つが一緒になって働くシステムが開発されました。これがハイブリッドシステムで、これを用いて超低燃費の自動車が実用化されています。
電池に蓄えられた電気エネルギーで回転するモーターにより走らせる自動車のことです。電池の性能が良くなければ、一度 の充電であまり長い距離を走らせる事ができません。最近の研究成果により、携帯電話などで使われているのと同じ種類の、小型で高性能なリチウム電 池が用いられるようになってきました。車の性能の向上のためには、更に高性能の電池の開発が、望まれています。
カーナビは、自動車などが今どこにいるのかを知らせ、目的地までの進み方を知らせる機械の事です。今いる場所は、宇宙の衛星からの電波での情報で知る事(GPSシステム)が多く、それに自分の走行距離などの情報を加えて教えてくれます。目的地までのこれから先の情報や進む方向、到着までの時間などを音声やディスプレイで教えてくれます。車から取り出して、町中を歩く時にも使えるタイプ、テレビなどが付いているタイプなど、様々な機能が付いている最新機種もあります。カーナビを作るには、「機械工学」、「情報工学」、「画像工学」、「電気電子工学」等の工学技術が必要です。
気象衛星(きしょうえいせい)とは、宇宙空間から気象観測を行う人工衛星のことです。高さ3万7000kmから止まった状態でお天気の観測を行うことにより、広い場所の気象状況を短時間に見てその情報を送ることができます。夜でも観測できる赤外線カメラや風や雨の量を測るためのマイクロ波散乱計(まいくろはさんらんけい)なども備えている。これを打ち上げるために、ロケットの開発技術も大切な技術なんだ。気象衛星を支える技術としては「機械工学」「宇宙工学」「電気電子工学」「情報工学」などが大切なんだ
アメリカの会社が開発した外科手術用ロボットのことす。 立体画像(3D)画面を見ながら、がんなど100種類以上の手術をする事が出来ます。ロボットの腕の先には、小さなカメラや電気メスなどがついて、細かな手術を正確に3メートルくらい離れた場所で行う事が出来る。日本でも、様々な手術ロボットの開発が進んでいる。地球の裏側にいる医者がロボットを使って患者の手術を行う研究も進んでいる。手術ロボットを作るには「機械工学」「情報工学」「電気電子工学」「通信工学」「医療工学」「素材工学」などの先端技術が必要です。
紫外線を浴びると、シミ、シワなどの肌トラブルだけでなく、皮膚ガンの危険もあります。そこで、化粧品には、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤が用いられています。紫外線吸収剤は化学反応によって紫外線を吸収し、熱などのエネルギーに変換して、紫外線が肌内部の皮膚細胞に影響を及ぼすのを防ぎます。一方、紫外線散乱剤は酸化チタンなどの無機微粒子や粉体で、肌の表面で受けた紫外線を物理的に乱反射させ、紫外線が肌の内部へ侵入して悪影響を及ぼすのを防ぎます。最近、C60フラーレンが遊離ラジカル(シミの原因物質を作り出す)を活発に捕捉する性質を利用して、C60フラーレンを添加した化粧品も市販されています。
からだの臓器の機能をおぎなう装置が人工臓器です。実用化されている人工臓器には、人工腎臓(正確には血液透析器)という血液の老廃物をきれいにする装置や、血液に酸素を加えて二酸化炭素を除くことのできる人工肺という装置、機能を失った血管に代わる人工血管などがあります。
サプリメントとは、ダイエタリー・サプリメントの略で、 日本では食品に分類され、健康補助食品もしくは一般的に健康食品と呼ばれるものを指します。現代人の生活習慣の変化に伴い、日常の食事で不足しがちな栄養素を補うものとして、ビタミン類、ミネラル類など多くのサプリメントが販売されています。天然成分を抽出・凝縮したものは比較的高価ですが、化学合成や発酵により安価かつ大量に供給されています(天然成分の方が効果がでやすという説もあります)。ここでは、化学工学、発酵工学、機械工学などの技術が活用されています。
比較的低い東京タワーから送信されている関東エリアのテレビの電波は、高層ビルの増加に伴い電波障害が広がって きました。それを軽減するためにより高い塔が計画され、2008年に建設が始まり、完成後は地デジ用の電波(UHF波)を送信する事になっていま す。塔の高さは634mと自立式の電波塔としては世界一の高さで、日本の建築技術の粋を集めて2011年中に竣工する予定となっています。
薬(くすり)とは、飲んだり、塗ったり、注射したりすることで、人や動物の病気やけがを見つけたり(診断)、なおしたり(治療)、よぼう(予防)をするための物のことです。医者の指示でしか患者に出せない医療用医薬品(いりょうよういやくひん)と、薬局・薬店で誰でも買えるかぜ薬などの一般用医薬品(いっぱんよういやくひん)とに分けられます。最近ではコンピュータを使って役立つ薬を予想することやバイオ化学の技術を使った薬の開発なども行われています。 薬を作るには「合成化学」「化学工学」「バイオ工学」「機械工学」「電気工学」「情報工学」などの最新技術が必要です。
左右の眼の位置から取った画像を同時に映して、3D眼鏡を通して左右の目でそれぞれの画像を見ることにより、実際には平面であるテレビ映像を立体的に見せることが可能になったテレビが3Dテレビです。映像を立体的に表示する方式は昔から研究が進められ、3D眼鏡を用いなくても、立体的に見えるテレビも開発されています。製品コストや色の再現性などの様々な問題を考慮した「光学」や「画像処理」などの分野の研究が、3Dテレビを製品化するための技術の要となります。
日本で開発された時速200km以上で走行する高速鉄道を新幹線といい、線路、運行システム、新幹線車両からなります。高速で走行する新幹線車両は、安全性、高速性、快適な乗り心地を追及して研究が進められ、「のぞみ」、「はやぶさ」、「みずほ」など新しい車両が開発されています。新幹線車両の開発には、「機械工学」、「電気電子工学」、「材料工学」、「情報工学」など工学のあらゆる分野の知識が求められます。
LEDは電気をかけた時に光る(発光する)半導体から出来ている装置の事です。最近は、炭素と水素から出来ている有機物の半導体を使ったLEDも作られています。(OLED)少ない電気で明るく光る照明で、蛍光灯よりも寿命が長いことなど省エネ製品の代表として、注目されています。車のライト、信号機など交換がしにくい所などで、LED製品が活躍しています。LED製品を作るには「材料工学」「電気電子 工学」「合成化学工学」「半導体工学」「物理工学」等の先端技術が使われています。
タッチパネルは、ディスプレイ上に表示するとともに指で触れることにより入力できる2つの機能を有しており、ATMや携帯電話に使われています。指でディスプレイに触れたときの電気抵抗や静電容量など電気的な変化や圧力の変化を利用してタッチした位置を検出します。指紋認証は、読み取った指紋や静脈とあらかじめ記憶させた指紋や静脈の特徴とを照合して本人確認をするシステムです。これらのシステムの開発には、「電気電子工学」、「電磁気学」、「情報工学」などが不可欠です。最近では、タッチパネルで指紋認証をできるように研究が進められています。
生鮮食料品から加工食品に至まで、安全で品質の高い食品を消費者に提供するためには、その生産・製造・加工技術は勿論のこと、その鮮度・品質を保つためのパッケージも重要です。例えば、野菜・果物の鮮度を保つためのMA(modified atmosphere)包装が用いられています。MA包装とは、30?100ミクロンの穴が開けられたフィルムで密閉する事により、外気からの酸素の取り入れと二酸化炭素の排出量をコントロールし、「低酸素・高二酸化炭素」の状態にし、青果物の鮮度を保つ方法です。使用するフィルムの種類や厚さでガス透過性をコントロールし、適切なガス組成にコントロールすることができます。この様な素材開発・製造には化学工学の技術が活用されています。
地震が発生した場合、最初にP派(初期微動)が、次にS派(主要動)が地表に到着します。一般的にP派よりS派のほうが大きく、強力であるため、地震による被害は、ほとんどがS派到達以後に発生しています。そこでP波をキャッチし、震源や規模、各地のS派到達時刻、想定される震度等を推定し、強い揺れが始まる前に知らせる予報及び警報が緊急地震速報です。緊急地震速報はテレビやラジオ、インターネットなどを通じ流れていますが、これらをつけていない時に緊急地震速報を自動的に受信し、警報を発するものが地震警報器です。鉄道部門における「ユレダスUrEDAS」もその一例です。
これまでのモバイルフォン(携帯電話)は、電話にコンピュータの機能を足したものでした。スマートフォンは、電話の 機能を持つ超小型のコンピュータといえます。Windowsパソコンと同じように、コンピュータを働らかせるソフトウエア(アンドロイドや iOS4等)があり、その環境の下で、インターネットやモバゲーやその他の色々なアプリを動かすことができます。
炭素繊維は、文字通り炭素からなる繊維です。アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に、何度も高温で蒸し焼きにして余分な成分を取り除き炭化して作った繊維です。「鉄よりも強く、アルミよりも軽い」と言われる様に非常に軽量で、強度と弾性が高いのが特徴です。その上、錆びない、熱に強い、といった特性があり、主にプラスチックとの複合材料として使用されています。このような特性を生かし、今ではゴルフクラブのカーボンシャフト、テニスラケット、航空機などに用いられています。
重粒子線とは炭素イオンなどの粒子を加速させ、高エネルギーの放射線として生成したものです。これをがん患部にピンポイントで照射して、がん細胞を攻撃して死滅させ、切らずにがんを治す最先端の治療法が重粒子線がん治療です。 胃や腸などの不規則に動く臓器などには不向きですが、局所に留まっているがん、従来は難しいとされてきた骨にできるがんにも有効です。正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが可能とされ、痛みや副作用もほとんどなく、治療期間が短くできるというメリットもあります。
スポーツウェアでは、さまざまなスポーツに応じて必要な性能が異なってきます。競泳や陸上競技など激しい動きの伴う競技では、力学強度や伸縮性、流体抵抗が低いことが必要です。汗をうまく吸ったり通したりする機能も必要です。素材や厚み、表面加工、通気性などには競技ルールで制約がありますが、こうした機能を限界まで追求していきます。さらに衣装としてのかっこ良さも大切なポイントです。
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |