大分大学では、2017年4月に工学部から理工学部への改組を実施しました。改組後の理工学部全体で、2つのPBL科目を導入しています(「基礎理工学PBL」と「応用理工学PBL」の2科目)。PBLとは、Project-Based Learningの略であり、与えられた課題に対し、自らが考え、課題解決を行う学修形態です。「基礎理工学PBL」では、前半に、理工学部全体として「力」という共通のテーマを設け、共通テーマに関する各分野の授業とPBL内容について概説し、後半で、PBL形式の実践的な授業を実施しています。
電気電子コースでは、「基礎理工学PBL」の後半で行うPBL形式の実践的な取組み内容として、「電気自動車を普及させるためには?」というテーマを設定しています。少人数のグループにて、学生達自らが課題設定し、設定した課題に対して、グループごとに調査、議論・検討、課題に対する解決方法をまとめことを行なっています。これらによって、問題解決へのアプローチ方法を身につけることを目指しています。最終的には、全学生がプレゼンテーションを行います。
具体的には、「電気自動車を普及させるためには?」というテーマについて、「航続距離を伸ばす」、「充電スタンドを増やす」、「購入し易くする」などの課題設定を行なっています(図1)。それぞれのグループが考える解決方法を提案、その案について調査、グループディスカッションを行うことで、大学生の視点で妥当と考え得る解決方法を見出しています。例えば、図2は、「航続距離を伸ばす」という課題設定に対して、フォルクスワーゲン社の電気自動車用プラットフォームを取り上げたものです。また、図3は、「充電スタンドを増やす」という課題設定に対して、移動可能な充電ステーションにスポットを当てています。
多くのグループで予想以上に、グループディスカッションが白熱し、授業の目的である「与えられた課題に対し、自らが考え、課題解決を行う」という目的を満たしていました。しかしながら、中にはお見合い状態になり、活発に自ら考えることがなかなか難しいグループもあり、今後、取り組み方についての工夫も必要であると考えています。
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