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授業紹介

「もの」づくりを実践的に学ぶマテリアル工学PBL

 九州工業大学工学部マテリアル工学科では、鉄鋼・合金・半導体・セラミックス・複合材料など「もの」の性能を決定するマテリアルの構造と性質を科学的に解明し、新しいマテリアルを設計製造するなど高度な材料開発とともに、資源・リサイクル・エネルギー問題にも取り組むことができる技術者の育成を目指しています。このような学生を育成するために、熱力学、材料組織学、材料力学、材料物性学、材料評価、金属・無機材料に関する系統的な講義を実施しています。講義に加えて、材料について実践的に学ぶ実験系の科目もあります。ここでは、実験系の科目の一つであるマテリアル工学PBLについて紹介します。

 マテリアル工学PBLは3年生を対象に行われます。10名程度のグループに分かれて、工業的に広く利用されている鋳造、溶接、塑性加工、めっき、マイクロソルダリングそれぞれの技術を実習していきます。鋳造では学生自身がデザインした形状にアルミを鋳造します。溶接では鋼製の枠と支柱、支柱と台座をアーク溶接しています。塑性加工では鋳造物を枠の中で固定・回転させるための軸の加工を行います。めっきでは作品に取り付けるネームプレートを作製します。マイクロソルダリングでははんだの材料的性質を学んだうえで、はんだ付けを行います。

 これらの実習で作製した部品を組み合わせ、金属製の模型を作っています。数年前までは地球儀(球体)を作ることにしており、全員が同じデザイン・寸法設計で実習を進めていました。現在は学生自身が作りたい形状をデザインすることにしています。学生によってデザインが異なるため、鋳造物が枠の中でうまく回転するように、形状に合わせて塑性加工で作製する軸の寸法設計を行わなければなりません。予想外の問題が生じることもあるようで、「もの」を作る前に行う設計の重要性を認識する経験となっています。一方で、寸法設計の上でも完成度が高く、デザイン的にも優れた作品が作製されることも多くあります。

 九州工業大学マテリアル工学科の学生は、マテリアル工学PBLなどを通し、「もの」を作ることの難しさと楽しさ・面白さを実践的に学んでいます。

九州工業大学 工学部マテリアル工学科
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