清和文楽館
御船街なかギャラリー
活動の写真
熊本大学工学部3年生を対象にした『近代建築史・保存論』では、2年生までに学んだ建築学の基礎知識に基づいて、身近な歴史的建造物の価値に迫ります。
高校までに学ぶように、明治以降、日本は西洋近代の文明を取り込むことで近代化を図ってきました。建築もその例外ではありません。明治維新からすでに150年以上が過ぎましたが、西洋の文明をよく理解し、十分自らのものにしたとは言えないでしょう。建築の学生は、近代建築を生み出した西洋の近代建築の歩みを、しっかり理解する必要があります。
もちろん、日本には長い伝統を持つ独自の建築文化があり、明治以降の近代化を受けつつも、この国に相応しい近代的な建築を模索してきました。最近の研究では、江戸時代までの伝統建築は、明治期にも引き継がれ、発展してきたことも分かってきました。先輩方の知恵や工夫は、様々なルートで現代の建築に取り込まれています。
このように、私たち建築専門家は絶えず過去の建築を学び直す必要があります。そのため過去の建築を保存するために、明治半ばごろから制度を整えて、歴史的建造物の修復や保存を行ってきました。
以上の目標をより深く理解するため、この授業では、身近な近代建築を実際に見学することにも取り組んでいます。これまでに、地域の伝統建築の技法を取り込んだポストモダンの建築(清和文楽館)や、伝統的な町屋を改修して町づくりの拠点とした実例(御船街なかギャラリー)などを見学しました。
最近では、熊本地震で被災した文化財の修理や保存の活動に基づいて、より具体的な保存の話題も提供しています。とくに東日本大震災では、文化財に指定されていない重要な歴史的建造物が消失しました。その反省から始まった「文化財ドクター」の取り組みについても、リアルタイムで紹介しています(活動の写真)。
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