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授業紹介

基礎数学と研究・実社会との架け橋

写真1さあ、今日の解説は誰かな?写真1
さあ、今日の解説は誰かな?

学生が演習問題を解説中写真2
学生が演習問題を解説中

学生らと議論中写真3
学生らと議論中

写真4
議論した内容が情報や経営分野のどこにどのように応用されているか?

「情報・経営数理工学2」は、長岡技術科学大学 情報・経営システム工学課程 3年 後期に設定されている専門選択科目です。受講学生は一通り大学(または高専)で基礎数学の講義を履修し終え、その内容をある程度理解しています。情報・経営システム工学課程では学部3年後期に研究室に配属され研究活動をスタートさせます。そのため、この講義の位置づけを基礎数学の「単なる復習」や「知識をつめ込むこと」ではないものにしたい、かつ、研究活動につなげられるものとしたいと今なお考え続けています。

現段階での講義の位置づけは:

(a)基礎数学が研究・実社会の情報や経営分野にどのように関わっているのかを学ぶこと、

(b)受動的に学ぶことが主体であった意識を今後の研究活動に向け能動的に学ぶ意識に変えること、

としています。

 講義は反転講義形式で進めています。講義に参加する学生は、事前に提示した演習問題を必ず解いてこないとなりません。なぜなら、学生をランダムに指名するプログラムを用いて、黒板を利用し演習問題を解説してもらう学生を決める方式をとっているためです(写真1、写真2)。一通り担当の学生が解説を終えた後、解説をした学生をモデレータとして、この演習問題の着目点や別の解き方はないのか?などのディスカッションをします(写真3)。ディスカッションの後、教員が演習問題で出題された数学の知識が研究・実社会の情報や経営分野のどこにどのように応用されているかを解説し(写真4)、実際にその分野の問題を出題し考えてもらいます。例えば、無限級数の和を議論した際には企業の株式の現在価値を求める際に使われるなどを解説し問題を解いてもらいます。固有値・固有ベクトルを議論した際には主成分分析との関係などを解説し、問題を解いてもらうといった具合です。

 学期はじめのガイダンス時に「学生や教員からの質問に『わかりません』とは言わないこと、間違っていても良いから自分の考えを自分の言葉で必ず解説・説明すること」を約束しています。学期前半は解説やディスカッション時に黙り込んでしまう場面も少なくありませんが、講義が進むにつれて、学生同士がかなり密にディスカッションできるようになります。

 このような講義形式は良い面もある一方難しい点も多くあります。例えば、この講義形式は二十名くらいまでが限度と感じています。また、学生中心型の進め方ですので進度のコントロールが難しいです。さらに、学生の集中を途切れさせないために、質問して双方向性を出す、専門分野と関係する演習問題を設定するなどの工夫が常に必要です。

 今後も、すでに身につけた要素的な知識を組合せて実際の問題に応用する力を育成することを意識し、研究室において研究に取り組む際の態度につなげるような講義の展開ができるようにしていきたいと考えています。

長岡技術科学大学 情報・経営システム工学課程 専攻
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