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授業紹介

医療・デザイン・工学系の異分野融合による福祉介護機器開発「機械設計演習」

障害者の方、専門職の方々をお招きして開催されたニーズ&アイデアフォーラム発表会風景1
2015年3月
TOC有明コンベンションホールにて

障害者の方、専門職の方々をお招きして開催されたニーズ&アイデアフォーラム発表会風景2
2015年3月
TOC有明コンベンションホールにて

参加学生が開発した
上方の障害物検知機能を持つセンサ付き白杖

「機械設計演習」は、埼玉大学工学部機械工学科3年生を対象に、これまで学んできた機械技術の実践的な応用を学ぶための演習授業です。本授業の特長は、技術シーズではなく、社会的なニーズに基づく価値の創出ができる技術者の育成を行うところにあります。私たちは、これを社会実装教育と呼んでいます。

 近年、ものづくり教育の分野ではプロジェクト・ベースド・ラーニング(略して、PBL)教育が人気です。確かに学習者の課題設定能力や行動力の育成に効果的ですが、テーマ設定の現実味の無さや製作物の最後の詰めの甘さが問題になっていました[1]。そこで、本授業では、PBL教育の欠点の改善を目指した社会実装教育を行っています[2][3]。社会実装教育は、異なるコミュニティの融合による新しい価値の創造を行える技術者の育成を目指して、製作物のゴールを社会実装(実際に使ってもらえるために必要な全てのことづくり、しくみづくりを終えている段階)に設定した“ものづくり教育”です。利用者を含む全てのステークホルダーに開発構想段階から参加して頂き、真に利用者のニーズに基づく技術開発を行います。

 2014年度より本授業の受講学生は、国立障害者リハビリテーションセンターを中心に実施されているニーズ&アイデアフォーラム(NIF)に参加しています。NIFでは、医療系、デザイン系、工学系の異分野の学生がチームを作り、障害者を交えて障害者のための自立支援機器開発を行います[4]。異なる分野では、言葉も違えば常識すらも異なります。そこを乗り越え、皆が持つ技術を持ち寄ることが求められます。そこには苦労もありますが、これこそが社会における技術開発の本来の姿であり、障害当事者の「困った」を本当に解決できる唯一のアプローチです。

 本授業では、これに正面から取り組める人材を育成したいと考えています。


引用文献

[1]琴坂、“イノベーティブ・ジャパン”プロジェクト連続ワークショップ、
URL:http://robopedia.sakura.tv/robot_contents/solutions/education/教育手法/1400、2013。

[2]琴坂、設計工学、50巻5号、2015。

[3]琴坂他、工学教育、63巻1号、2015。

[4]小野、国リハニュース、第353号、2015。

埼玉大学 大学院理工学研究科人間支援・生産科学部門
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