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授業紹介

「危険」を「安全」に体験しリスク対策を学ぶー産官学連携による体験型安全教育ー

 群馬大学理工学部では、2年生(約500名)全員を対象とした必修科目として、PBL科目「課題発見セミナー」を開講しています。学生が5名程度のグループに分かれ、約80社の近隣地域の協力企業や自治体などを訪問し実習を行うことで、課題発見・解決能力を身につけることものです。産官学民金が一体となることで、学部全体規模でのPBL教育が実施されています。

 実習に赴く前に、マナー、インタビュー、地域産業などいくつかの事前教育を行います。そのなかで、重要な一つの柱として、厚生労働省群馬労働局や県内協力企業と連携した「安全講習」を実施しています。

 安全講習は全4コマで構成され、労働安全衛生の基礎知識やリスクアセスメントを群馬労働局の専門官を講師とした講義で学んだ後、ハイライトである安全体感実習を2コマで実施します。

 学生は5名程度のグループに分かれ、キャンパス内に設けた多様な体感テーマ(計18テーマ)を巡回します。協力企業(日本キャンパック、トッパンパッケージプロダクツ、佐田建設)および群馬大学技術院の協力のもと、チェーン巻き込まれ、重機災害防止(バックホウの死角など)、墜落災害防止(フルハーネス型安全帯の着用)、VR(仮想現実)による事故体験、配管残圧、ヒューマンエラー防止、引火体感、化学実験時の安全管理、乾電池廃棄のリスク管理など、幅広い分野の「危険」を「安全」に体験します。

 学生からは、「話を聞くだけでは分からない、実際に体験することで危険の程度を知ることができた」、「宙吊り体験や挟まれ事故の体験は寿命が縮まる怖さだった」といった感想が寄せられており、危険感受性の向上に大きな効果を上げています。特に、「これくらい大丈夫だろう」という慢心や油断が事故につながることを痛感し、「マニュアルやルールを守ることの大切さ」を深く理解する機会となっています。

 安全体感実習に続く最終回では、体感実習の経験を踏まえ、群馬労働局専門官のファシリテーションのもと、具体的な事故事例に対するリスクアセスメントのグループ討議を実施します。学生たちは、リスクの抽出、見積もり(マトリクス法)、対策の立案といったプロセスを通じて、安全は個人ではなく「組織やチームでつくるもの」であること、そして「事故が起きる前にリスクを見つけて対策する」予防重視の考え方を身に付けます。

 この実践的な安全教育は、学生が将来、研究活動や実務に進む上で、「常に危険が存在しないか考え、許容できない危険がある場合には対策を考え、実行する」という安全第一の意識を根付かせ、自律的な課題解決能力の基礎を築いています。

群馬大学 理工学教育センター
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