千葉大学工学部の「工業数学Ⅰ」では機械工学科の学生を対象に、多変数関数の微積分(ベクトル解析)とフーリエ解析について講義しています。機械工学はものづくりのための実学と言われていますが、機械の形や機能には必ず数学的な意味があります。日常的に目にする「ばね」ひとつとっても、各位置でどのようなベクトルの力がかかっているのか?また、自動車の乗り心地は格段に上昇していますが、その振動周波数の解析はどのような理論になっているのか?など、数学的な意味が理解できていないと高性能な機械は作れません。
この授業の前半では、スカラー値関数やベクトル値関数の多変数の微積分(ベクトル解析)を学び、多次元の量の一次の関係を扱う線形代数や、1変数の微積分とのつながりを理解できるようにしています。関数の線形近似として微分を捉えると、多変数関数や写像の微分が1変数の場合と同じ形で捉えられることを説明し、発散や回転などのベクトル解析の主要な概念について解説し、併せてストークスの定理とガウスの定理も説明しています。後半では、偏微分方程式(工業数学IIで学ぶ)への応用に必要なフーリエ級数とフーリエ変換の基礎を学び、関数を一種のベクトルとみなせることを理解できるようにしています。物理現象を記述する偏微分方程式(時間微分と空間微分の関係式)の解法と密接に関連するフーリエ級数、フーリエ変換の基礎を説明し、フーリエ級数と線形代数の共通部分について解説し、線形代数とのつながりを強く意識することになるよう工夫しています。
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