ウィットウォーターズランド大学での講義
石炭鉱山
クロミタイト観察
クルーガー国立公園
秋田大学国際資源学部では、3年次必修科目として「海外資源フィールドワーク」が第3クォーターに開講されます。この科目では、海外の資源開発現場や資源系大学に直接赴き、現地で英語による講義を受けたり、インターンシップを体験することで資源開発について学びます。渡航先は北米(アメリカ・カナダ)、南米(チリ)、東南アジア(インドネシア、フィリピン、タイ)、オセアニア(オーストラリア、ニュージーランド)、中央アジア(モンゴル、ウズベキスタン、カザフスタン)、ヨーロッパ(ドイツ、ポーランド、アイスランド)、アフリカ(南アフリカ共和国、ボツワナ)、中東(アラブ首長国連邦、サウジアラビア)、など多岐に渡ります。本稿では、著者が担当する南アフリカ共和国(以下、南アと略記)での実習について紹介します。
南アはアフリカ大陸の最南端に位置し、温暖で過ごしやすい気候ですが四季は日本とは逆になります。秋田大学が実習を行う10~11月は日本の春~初夏に相当し、青紫色のジャガランダの花が咲く良い季節です。実習期間は約3週間に渡り、第1週はヨハネスブルグ市内の大学(ウィットウォーターズランド大学やヨハネスブルグ大学)を訪問し、南アの地質や資源について講義を受けたり、研究設備を見学したりします。第2週はヨハネスブルグから東に約360km離れたバーバートンに移動し、太古代(約40~25億年前)に形成された地層や金鉱床を見学します。バーバートンには太古代に形成された「Greenstone belt」と呼ばれる特徴的な地質体が分布し、鉱物資源はもちろん、初期生命の進化史を研究する場としても世界的に有名です。その後、バーバートンから北西に約200km離れたスティールプールに移動します。ここは約20億年前のマグマ活動によって形成されたブッシュフェルト岩体と呼ばれる巨大な深成岩体(地下のマグマ溜まりがそのまま固結して出来る岩体)があり、多くの白金族元素やクロムの鉱山があります。特に白金族元素は自動車製造に欠かせない材料であり、多くの日本企業がブッシュフェルト岩体の資源開発に関わっています。その他にもリンポポ大学の研究発表会に参加したり、日本国大使館を表敬訪問したりと実習内容は盛りだくさんです。また、南アにはビッグ・ファイブと呼ばれるライオン・ヒョウ・ゾウ・サイ・バッファローに代表される多くの野生動物が生息しており、上記の慌ただしい資源系実習の間を縫ってクルーガー国立公園でこれらの野生動物の暮らしを見学することもあります。
帰国後は実習内容をまとめたポスターや報告書を作成し、英語で発表・質疑応答に臨みます。世界各国での実習を終えて、出国前よりも確実に成長して帰国した3年生は「資源開発」という言葉により一層の現実感と期待感を持って最終クォーターの授業に臨みます。
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