長岡技術科学大学では、これまでに培ってきた先駆的な工学教育(産学連携を基礎とした長期インターンシップや海外学術交流など)をさらに発展させるため、2018年に「技学SDGインスティテュート(GIGAKU SDG Institute)」を設立しました。このプログラムは、世界を視野に入れ、社会課題の解決と経済成長を目指すエンジニア教育を推進するための重要な役割を担っています。また、「UNESCO Chair on Engineering Education for Sustainable Development」として、日本の工学系大学で初めてユネスコチェアプログラムに認定されています。
技学SDGインスティテュートでは、本学の学部-大学院一貫教育システム(SDG Engineer Course)、大学院社会人留学生特別コース(SDG Professional Course)、技術科学イノベーション専攻(GIGAKU Innovation Program)といったプログラムに加え、次世代のエンジニアが国際社会で共通の目標であるSDGsを重視した考え方を学ぶ機会を提供しています。
SDGsに特化した、学部生向けの「SDGs入門(日本語)」や大学院生向けの「SDGs実践入門(英語)」等の授業を通じ、SDGsをより本質的に学び、SDGsが採択された歴史的な背景も詳しく知ることで、真の理解を深めることができます。特に「SDGs入門」では、SDGsの全体的な概念に加え、各授業で特定のゴールに焦点を当てるため(1コマで2つのゴールを取り扱います)、この授業を修了する頃には、SDGsをより本質的に理解し、ゴール1からゴール17までの各ゴールに対して、より深い理解を得ることができるようになります。
一例を挙げると、SDGsのゴール3のターゲット「交通事故による死者数を減らす」では、単に高齢者の免許返納を促すだけでなく、超高齢化社会において誰もが不自由なく生活できる環境を目指すために、完全自動運転技術の開発や、事故を未然に防止するための都市計画など、エンジニアの視点から多様な解決策を考えることが非常に重要であることに気づきます。
SDGsは2030年を一区切りとしていますが、持続可能な社会を目指す取り組みは今後も続いていきます。単なる流行語としての「SDGs」に惑わされることなく、技術開発において社会的責任を果たし、エンジニアとしての「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の精神を持つことが重要です。本授業を通じて、千年先の未来でも安心&安全で快適に暮らせる社会を実現するために、実践的な知識と広い視野を養い、SDGsマインドを備えた未来のエンジニアになることを期待しています。
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