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授業紹介

ものづくりの原点 [実践!ものづくり]

ものづくりの原点 [実践!ものづくり]

ものづくりの原点 [実践!ものづくり]

ものづくりの原点 [実践!ものづくり]

皆さんは今、工学系に多少なりとも興味があり、ここを見ていると思います。一口で工学といっても建築物からゲームソフトまで研究対象は幅広く、まだまだ自分の進路を決めかねている人も多いと思います。マテリアル工学はどうですか?すべての産業はマテリアル(素材)がなければ成立しないし、優れたマテリアルを作り出すことは産業を根底から革新する原動力になります。想像してみてください。新しい材料を用いて自動車や宇宙基地、太陽電池や燃料電池を世の中に送り出している将来の自分の姿を。熊本大学マテリアル工学科ではさまざまな産業社会で活躍できる人材を育てています。
マテリアル工学科ではものづくりに重点を置き、技術者、研究者として必要な実験技術の修得のために実験科目をプログラムに多く組み入れています。その最初の科目が「実践!ものづくり」で、実験項目の多くは電気伝導度等の基本的な材料物性の測定技術ですが、本実習の最大の特徴は実習の枠を大きく踏み越えた「たたら製鉄」を実施していることです。たたら製鉄とは古くから日本に伝わる鉄づくりの手法で、砂鉄を原料にして、木炭を燃焼させCOガスで還元するというものです。本実習では耐火レンガを積み上げて築いた小型の炉を使います。大学の横を流れる白川は阿蘇の溶岩に余来する砂鉄が豊富で、そこで砂鉄を採集します。炭切り、レンガ等の炉材の準備さらには手ぬぐいの準備から実施場所の確保という多くの作業を数カ月にわたって行い、実習当日は早朝から夕方までまる一日の作業です。うんざりするような労力ですが、最後にケラ(鉄の塊)を取り出した時に、人生で初めてくらいの達成感を得ることができます。ものづくりの面白さ、重要性、原理はシンプルだが成功するには努力が必要というものづくりの原点を気づかせてくれます。また、日本古来・日本独自の自然と調和した「たたら」はこれからの日本の技術の方向性を学生自身で考える良い機会となっています。
アンケート結果でもすべての学生がやってよかった、最初は面倒と思ったが、最後は夢中になっていたというものばかりです。チームの皆と力をあわせて、1つの目標を達成するというチームワーク力も磨けます。そして、2年からの本格的な専門の授業にも積極的に取り組む意欲を持つことができるのです。

熊本大学 工学部
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。