私は、理工学研究科理工学専攻機械科学コースの修士1年生です。研究を中心とした生活を送りながら、大学院の授業の受講や、時折TAとしての仕事もこなし、充実した日々を過ごしています。
学部3年生の時に行った学生実験で「伝熱工学」という分野に魅力を感じ、この興味をさらに深めるため、研究室配属の際に、伝熱の視点から医療や工業分野の発展を目指している現在の研究室を選択しました。ここでは、私の研究内容と、その研究活動を通じて学んだことについてご紹介したいと思います。
伝熱工学と聞くと一見、専門的な分野のように感じますが、実は私たちの日常生活と密接に関わる重要な分野となります。例えば、食卓で木のお椀を持った際に感じる「あたたかみ」や、金属のドアノブに触れたときの「ひんやり」とした感覚。これらの経験も伝熱工学を学ぶことで理解することができます。この伝熱現象は、物体ごとに熱物性値が異なることに起因しています。私の研究では生体の熱物性値を推定し、そこで得られた知見を医療分野だけでなく、複雑な熱流動現象の解明に応用することを目的に取り組んでいます。
この研究活動を通じて、忍耐強く物事に取り組むことの重要性を強く実感しています。研究では思い通りの結果が得られないことがほとんどですが、そこでなぜ上手くいかないのかを徹底的に考え、積極的に先輩方や指導教員と議論することが重要だと考えています。実際に、卒業研究の際、なかなか期待した結果が得られず、数ヵ月進展がなかったことがあります。しかし、行き詰まるたびに何度も議論を重ね、一つひとつ仮説を検証することで、この問題を解決し乗り越えることが出来ました。そして、5月に行われた学会では優秀プレゼンテーション賞を受賞することができ、自分の中で大きな自信となっただけでなく、継続して研究に取り組むことの大切さを身をもって学ぶ機会となりました。
現在も、新たな課題に挑戦し、試行錯誤を重ねています。一歩進んだと思ったら、一歩戻っての繰り返しで、自分自身の力不足を実感する毎日ではありますが、その過程の中で少しずつ力が付いていることも感じています。これからも研究に対して謙虚に向き合い、着実に成長していけるよう、粛々と進めていく所存です.
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