トップページ > 生レポート!卒業生の声 > 感動体験は人生の道しるべ

生レポート!卒業生の声

感動体験は人生の道しるべ

2017年11月10日
神戸大学工学部 電気電子工学科 卒業
ルネサス エレクトロニクス株式会社
オートモーティブソリューション事業本部 勤務 北山 貴彦

半導体がもたらした感動体験

 私が半導体(ICチップ)の世界に引き込まれたのは、高校生の時でした。当時、動画・音楽ダウンロードサービスが開始され、見たい動画、聞きたい音楽をすぐに再生できるこのサービスに、衝撃と感動を覚えました。どうしてこんなことができるのか? 調べてみると、携帯電話に内蔵されている半導体にPCの機能を集積していることがわかり、この半導体の仕組みをもっと知りたいという気持ちから、半導体の基礎・応用に関する研究を活発に行っている神戸大学工学部への進学を決意しました。

 大学の研究室では、4Kテレビなどで高画質画像拡大を実現するための超解像処理エンジンの研究を、自ら志望して進めていきました。修士論文提出の直前に、なんとかリアルタイムの超解像処理を実現できた瞬間の感動は今でも忘れません。そのような感動体験を二度も提供してくれた半導体と関わり合える道なら、また面白いことが待っているに違いないと思い、半導体メーカーに就職しました。

 半導体メーカーに就職してからは、自動車に使われている半導体の設計開発から試作、テストまで幅広い業務に携わらせてもらい、どんどん半導体に対する理解が進みました。もっともっと知りたいという気持ちから、新しい業務にも手を挙げて取り組んでいます。そのような機会を得られる半導体の仕事に、喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。

ものづくりを通じた感動体験をより多くの人に

 私は上記の通り、感動体験を通じて自分の進むべき道を決めてきました。つまり「感動体験は人生の道しるべ」になると思っています。そして、そのような感動体験を子供達にも提供して、新たな道しるべになればと思い、2014年から有志のエンジニアを集めて休日に半導体を活用したプログラミング教室(動画参照)を開催しています。

 教室では、第一線で活躍するエンジニアが直接子供たちにプログラミングを指導することで、子供たちにプログラミングの楽しさや日常生活に役立っている技術について伝えています。その結果、子供たちは「こんな世界があったのか?!」とのめり込むようにプログラミングに取り組みます。「明日から僕はエンジニアを目指す!」と、進むべき道が見えて目の色を変える子供も出てきます。

 また子供たちが感動する姿を見て、実は教えているエンジニアの側も大きな感動体験が得られ、エンジニア自身の自己肯定感の向上に繋がります。さらに、社会・地域へ主体的に働きかける経験が、自己効力感の向上に繋がり、組織で開発を進める本業でも大きな効果を発揮します。

 このように、子供達と教える社会人の双方にとって有益な活動に、今後は社外の人も巻き込んで取り組んでいきたいと思っています。

学生のみなさんへ

 みなさんも、まずは自分自身の感動体験や何かに熱中する瞬間を大切にして下さい。そして、それを通じて何かしたいことが思いついたら、是非チャレンジしてみてください。それはみなさんの新たな感動体験となり、人生の道しるべになるでしょう!

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

関連記事

2018-11-22

おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

揺れたり揺れなかったり~振動現象学習用教材

東京海洋大学海洋工学部

2021-10-08

輝く工学女子!(Tech ☆ Style)

「珍しい」を求めたらいろいろな経験ができた

秋田大学国際資源学部

2010-08-27

生レポート!卒業生の声

エンジニアに必要な体系的な知識

九州工業大学情報工学部

2021-11-19

Pict-Labo

高効率で水分解反応に作用できる光触媒

山口大学工学部

2010-09-21

生レポート!現役学生の声

進路を考えているみなさんへ ~「工学部」ってどんなところ??~

金沢大学理工学域

2020-09-04

Pict-Labo

機能性流体が様々な未来の可能性を拓く

福島大学共生システム理工学類

神戸大学
工学部

  • 建築学科
  • 市民工学科
  • 電気電子工学科
  • 機械工学科
  • 応用化学科
  • 情報知能工学科

学校記事一覧

生レポート!卒業生の声
バックナンバー

このサイトは、国立大学55工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。