マップピン付き割箸と輪ゴムに折り紙でテンセグリティ「幾何学おもちゃ」を楽しもう
「幾何学おもちゃ」にあるテンセグリティ(2016年福井大テンセグリティーボール同様)をマップピンを刺した割箸と輪ゴムで作っていきます。割箸と頭が球のマップピン(待ち針)に14号輪ゴムを準備します。輪ゴムはピンの頭に引っ掛けれるように結んでおきます。爪楊枝があると便利です。
テンセグリティとは、棒と紐でドームのような建物構造物を示します。ハンモック台や3本足キャンプ椅子にも使われます。3本足キャンプ椅子は3本の棒を真中で縛ってねじってから、3角の頂点で棒の端を止めて座る布を張ります(図1)。骨組みも示します(図2)。これは布と地面の三角形の辺が引っ張られ、重力で下向きに対応する端が引っ張られているのと同様な力が働いています。引張を輪ゴムにして、束ねた紐を外すと単純なテンセグリティ(プリズン3)ができます(図3)。棒は1/3円周だけねじってますから、下向きに対応する端はねじった回転方向で隣になる箸の下の端です。束ねた節は3つの三角形の頂点です。底面の三角形と合わせて4面体ができてます。圧縮材の棒と引張材の紐でできた形は、テントみたいに軽くて丈夫です。宇宙にも持っていきやすいですね。
折り紙を準備
谷折り4回
端谷折り角を重ねて谷折り
再度3角折(直角3棟分)
中央の谷折りで2重重ね
ユニット出来上がり
ここで、ユニット折り紙で正三角形の面からなる正多面体を示します。ユニット折り紙は、折り紙で同じ基本面を差し込んで色々な形にする方法です。作ろうとする正多面体の基本面は正三角形です。正方形の折り紙からユニットの折り方を示します(図4)。ユニットを差し込んで正4面体をを作りました(図5)。正8面体(図6)や正20面体(図7)も同じユニットで作れます。4面体と8面体と20面体の各頂点に集まる辺の数は、それぞれ3本と4本と5本です。正多面体は中心から面か頂点までの半径距離が同じなので球と同じです。
図10 正4面体折り紙を包むテンセグリティ。右:棒材のみ。
さて、プリズン3が3本の棒材と引張紐である輪ゴムでできていて、4面体の頂点で辺の棒材をねじって結んだ3本足キャンプ椅子から作られたことを思い出してください。8面体と20面体の頂点も、それぞれ4本と5本の辺で作られています。4面体からプリズン3を作ったのと同様に、各頂点を割箸で縛ってねじってみましょう。ねじる方向を外から見て同じにしてください。割箸の端からねじった隣の割箸の両端に輪ゴムの紐材を掛けていきます。途中で張力で割箸辺の多面体が崩れないように頂点をアルミ針金で仮止めします。4面体と8面体と20面体のユニット折り紙を入れて頂点での束ねた針金を残した製作途中を示します(それぞれ図8、図9、図10)。束ねた針金を除いて4面体と8面体と20面体のテンセグリティ形状にします(それぞれ図11、図12、図13)。
4面体テンセグリティを見ると箸2本組が上下と縦横の3方向を向いています。3本の割箸の3つのマップピン頂点は地面に触れてますが、他の頂点は浮いていて、紐を無視すると空中に浮いた割箸もあります。頂点を包むと、三角形の20面体です。これより20面体テンセグリティに4面体テンセグリティが入ります。
正多面体テンセグリティを4面体から20面体にすると球に近づきました。球を平面につぶすと円ですから、4面体テンセグリティをつぶしてみると多角形になします(図14)。円の縦横比を1以外にすると楕円になり、球の縦横深さの比を変えるとラグビーボールのような楕円体になります。楕円体のテンセグリティは紐の長さを変えても作れます(図15)。ボールは転がるので、楕円体にしたテンセグリティも転がります。これは転がって移動する運搬ロボットがつくれます。テンセグリティ・ロボットはNASAで作っていてアプリで試せます。
図15 4面体テンセグリティの転がり。
図15-1:三角底面の辺を短くし、転がらないように指で固定。図15-2:転がったテンセグリティ。
多面体からテンセグリティにするときに正多面体や球と同じ性質があることや、テンセグリティの入れ子の話は、数学のトポロジーや群に関連し大学で学んで人に役立つ応用ができるかもしれませんね。例えばルービックキューブも群の応用で、結晶の話にもつながります。アニメで「魔術」と「理工」が一緒に描かれてます。自由に考えて夢を現実にする喜びを味わえるよう楽しんでください。
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