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生レポート!大学教授の声

身の回りのプラスチックと最先端研究

2017年3月24日
山形大学大学院 有機材料システム研究科
伊藤 浩志
図1 理事会での会食(ソウル)

「プラスチック」と聞いて、皆さんはどのように感じますか?百円ショップでは、多くのプラスチック製品が並んでいます。プラスチックは、やわらかく、軽く、壊れにくく、安価なものと思うでしょうか?

 現在、私たちの身の回りにはプラスチック製品があふれています。プラスチックの材料を溶かして・流して・形にして・固めるという一連のプラスチック成形加工技術は、日本のものづくりの原点とも言えます。また、プラスチックの多くは、様々な最先端デバイスの基材や精密部位としても数多く利用され、皆さんの携帯電話、PCや自動車にも、多くのプラスチック製品を見ることができます。さらに、プラスチックの精密部品は、電子産業、情報産業、医療解析部材等に適用され、その需要は急速に伸びています。特に、光学素子や医療機器部材関連が大きなマーケットとなっています。具体的には、時計部品などとしての針やマイクロギア、光学素子としての回折格子、マイクロレンズアレイや光学レンズ、医療部材などのマイクロ流路チップや低侵襲の針アレイ、蛾の目構造や蓮の葉構造を表面に有する機能性フィルム等が挙げられます。これらのマイクロ・ナノスケールの表面構造体の作製やその製品精度が要求されています。

 大学の「工学部」は、最先端の研究を通じて、皆さんへ「ものづくり」の面白さを教えるところです。「ものづくり」は、最先端の機能デバイスの基礎・応用研究などとは異なる反面、今後の最先端部材を支えるプロセス開発として、重要な基盤研究でもあります。日本の最も得意とするものは、緻密でこだわりの加工技術、素形材・部材の開発研究です。この分野では、低環境負荷、省エネルギー、低排出ガスを意識した高付加価値「ものづくり」が必要不可欠になっています。

 山形大学工学部のある米沢キャンパスには、プラスチックなどの有機材料およびその「ものづくり」教育研究の世界的拠点となる施設、「グリーンマテリアル成形加工研究センター」が完成しました。ここでは、これらの有機材料および加工技術の研究拠点として、世界トップクラスの研究設備・教育環境を学生に提供しています。また、2016年春には、「有機材料システムフロンティアセンター」が完成し、さらに、高分子・有機材料の大学院が独立し、我が国唯一の大学院「有機材料システム研究科」が設置されました。これまでに山形大学に設置された有機材料システム関連の各研究センターと連携し、世界トップレベルの研究環境の中で実践的教育を展開しています。大学教授のミッションにおいて、学生に夢を与えることが重要です。未来のプラスチックやそれらのデバイスの夢を私達と一緒に見ませんか?

図2 マッターホルン山頂からの眺め(スイス)
図3 世界大会懇親サッカー大会(ベルリン)筆者は最前列左端
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