ものとものをこすると熱が発生します。(摩擦熱)
寒いときに手と手をこすり合わせると温かく感じます。実は摩擦熱によって瞬間的にかなり高い温度になります。市販のものを利用した摩擦熱にかんする実験を紹介します。
こすると消えるタイプのペンのインクは50℃~60℃くらいになると色が消えます。レシートなどに使われる感熱紙は80℃くらいになると黒い色がつきます。それでは、これらを使って実験してみましょう。
まず、準備したペンで紙に線や字を書いて見ましょう。そして、ペンの後ろについているゴムの部分でこすってみて色が消えたら、50℃~60℃になっています。
こすった部分の温度をサーモグラフィで撮影すると、弱くこすった直後は35℃(人間の体温くらい)になりこの温度では書いた文字は消えません。字が消えるように少し力を入れてこすると、およそ60℃まで上昇しています。さらに強く力を入れてこすると、なんと80℃になりました。
同じようにペンの後ろのゴムで感熱紙もこすってみましょう。力をいれてゴシゴシこすると色がつきます。色がついたら80℃(熱湯に近い温度!)になったということですが、紙は一瞬で冷えますので触ってもほとんど分かりません。
実は、硬貨や爪などのかたいものでこすると、簡単に感熱紙に色がつきます。硬貨を使うと、一点に熱が集まって温度が高くなりやすいのです。
身近に感じることのできる摩擦熱についての実験を紹介しました。ものとものをこすると、瞬間的にですがかなり高い温度が発生しています。冷めるのも一瞬ですので触っても分かりませんが、感熱紙(レシートなど)を使って実験すると高温になっていたことが確認できます。ほかにも色々な材料を使って試してみてください。
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