2014年8月1日
小・中学生の頃、理科の実験で、結晶ができる現象におもしろさを感じた私は、少しずつ理系の道を意識し始めました。高校では化学が大好きになり、教科書を読んで勉強するのではなく、もっと実験をして自分の目で確かめたいと思うようになりました。また、科学雑誌を読むうちに"この世界はすべて化学から成り立っている"ということに感動し、より深く学ぶため化学系への進学を目指しました。化学に関する学問の中で、自然科学の分野を理論的に追求していく理学部よりも、知識を応用し人や社会にとって役に立つ技術やモノをつくる工学部に決めました。
私が所属する応用化学コースでは、1年生で工学分野の基礎となる物理や解析などを学び、2~3年生では、溶液内の化学平衡、機器分析法、熱や物質の移動、流体や粒子の運動など、主に化学工業の基盤となる分野を学びます。そして4年生では、今まで学んできた知識を活用し、自分の研究に取り組みます。
私はまだ誰も行っていない研究をして、今までにない価値のあるモノを生み出したいと考えていたので、研究室では新テーマの「磁性ナノ粒子の合成」に挑戦しています。
具体的な研究内容は、スライムのようなゲル状の鉄の液体に磁石を近づけると、一瞬にしてカチっと固まり、磁石を離すと元の液体に戻る…こんな流体をつくり新しい特性を発見するために、まずは元となる粒子を合成しています。現在ではこれに近いものに、磁性流体やMR流体が存在しており、スピーカーやダンパー、医療分野まで広く応用されています。私はこの研究を自動車の新たなエンジン開発に繋げ、熱効率を上げることが目標です。以前は機械の塊に見えていた自動車を化学も素材の面から支えていることを知り、自動車の内部に興味を持ち始めました。世界中の人々が乗る車の最先端の技術開発に自分も関わりたい、と思い就職先は自動車部品のメーカーを志望しました。
私は海外でも仕事をしたいと考えているので、英語に関わるサークルに所属しています。そこで一番大切にしていることは、留学生との交流です。入学前のイメージとは違い、たくさんの留学生が日本へ工学を学びに来ています。異文化を知ることで自分とは違う考え方や価値観を広く学ぶことができ、日本についても考える機会ができます。
新しい発見や挑戦はどんどん自分から動かないことには始まりません。大学は、皆さんがいま疑問に思っていることの答えを学ぶだけではなく、その向こう側へと続いている場所だと思います。
掲載大学 学部 |
室蘭工業大学 工学部 | 室蘭工業大学 工学部のページへ>> |
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |