資源開発は、環境汚染を引き起こしがちな活動です。環境汚染を低減するためにはリサイクルなどを推進する必要があります。しかしながら、リサイクルやリユースなどで得られる金属量だけでは我々の社会活動を維持することはできないため、地球からある程度の量の鉱物資源を私たちの生活の中に取り入れていくことも必要です。このように、現状では資源開発を全くなくすことはできないのも事実です。
資源開発を行う場合には、資源が存在する場所を探す探査、資源を取り出す採掘、資源を私たちの生活に使えるように濃縮・精製する選鉱・製錬、そして環境への影響を低減する環境対策のプロセスが必要になります。かつては、探査・採掘・選鉱・製錬のプロセスが資源開発の主なプロセスでした。近年は、資源開発においても環境負荷を最小限にすることは重要な事になっています。このことを進めるためには、若い方に日本だけではなく世界の資源の多様な現場で研修する中で環境意識を醸成していただくことが必要だと感じています。
これまで、東欧セルビア共和国東部のボール鉱山地域において本学の学生とベオグラード大学の学生それぞれ10名程度が合同で鉱山廃水を含む河川の環境調査を行ってきました。同鉱山地域の河川の汚染は強く、日本人学生は大きな衝撃を受けます。ベオグラード大学の学生にとっても普段は意識することのない大きな環境問題を認識する機会になっています。このような機会を通じて、両校の学生は意見交換をしながら、学生たちは環境負荷の影響や対策の必要性を実感するとともに、環境修復の必要性を自覚してくれているように見えます。
現場での学びの機会が多いことも資源の大学教育の一つの特徴だと思います。若い方には、教室での講義だけでなく、地域や海外に飛び出して、多様な現場や意見に触れて、柔軟な思考と対応ができるようになっていただきたいと期待しています。資源と環境を学ぶことで、地球規模課題に取り組むことができる研究者・技術者を目指してみませんか。
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私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |