自分は機械システム工学科で主に熱力学を担当しながら、自動車などの動力源となっている熱機関に関連する研究を進めています。現在、大気環境の視点から、二酸化炭素、大気中の微粒子(PM2.5など)やオキシダント(対流圏オゾン)を削減することが重要な課題ですが、残念ながら熱機関は、それら全ての生成に寄与しています。今後、熱機関は一定の割合で電動化しますが、それでは賄いきれない部分については、熱機関が利用されます。そのため、熱機関を利用しながらも、二酸化炭素、PM2.5、オキシダントの生成に寄与する有害排気の排出を「ゼロ」にすることが必要です。それに向けて、「新燃料」と「排ガス浄化触媒」をキーワードに、機械工学と化学工学を融合させた研究を進めています。そして電動化も進むことから、電気工学と機械工学の知識を融合させ、熱エネルギーと電気エネルギーをどんな割合で使えば本当に二酸化炭素は減るのかといったことも考えています。このように、機械工学科とは言いながら、熱機関を取り巻く問題の解決には、機械工学科以外の学科で学ぶ知見も融合していくことが必要になっています。学科の垣根を超えて、広く知識を吸収し、新しいことを考えていかなければなりません。
工学部は、社会の問題を解決し、比較的近い将来に役立つ研究をしていることが多く、近未来の明るい社会構築に向けたいろんな分野のことを学ぶことができます。もちろん、解決していかなければならないことはどんどん複雑化していることから、いろんな知識を参考に考えていかなければならず、一見大変かもしれません。でも、だから、考える価値があり、やりがいがあるのです。是非、工学部で学び、楽しい未来を創っていきませんか。
ところで、二酸化炭素削減に向け、今、本当に熱機関(エンジン)をなくしていいですか?いろんな知見を、「自ら」学び、考えてほしいと思います。興味があれば一緒に議論しましょう!
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