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生レポート!大学教授の声

常識をくつがえそう!

2016年08月29日
静岡大学 工学部 化学バイオ工学科 環境微生物生態工学研究室
二又 裕之
生レポート!大学教授の声

今までの常識というのはしばしば大きく覆ります。しかし、全くの無から新しいことが生み出されるということはありません。自然界で生じている現象を解明・利用し、あるいは、既存の知見・技術を組み合わせることで新しいことが生まれます。私の研究は微生物達の生き様を解明することですが、微生物が鉱物生成に関わり鉱物をエネルギー授受に利用していること、そこから発展して微生物が廃棄物を分解し電気エネルギーを生み出すこと、そして、微生物に電気をかけることで新しい物質生産技術の可能性も指摘されています。微生物−鉱物−電気という一見すれば関連性の無いものが結びつくことで、私達が知らなかった(気が付かなかった)世界が出現しつつあります。

生レポート!大学教授の声写真は、電極とその表面に生息している微生物です。
この微生物は電極呼吸「電極に電子を渡す」をして生きているんです。
このように異なるもの同士が結びつくと、実は私自身の世界も広がります。つまり、それまで縁の無かった電気化学分野や材料開発の研究者、あるいはまた、深海海底下を研究しているような方々とも交流が生まれています。このことは、「単に研究をする」ではなく、研究に携わっている学生や自分の人生が大きく豊かになっていくこととつながっているように感じています。

高校での学習は、大学で学ぶことの基礎の基礎であり、それらの延長線上に研究があります。研究では私達の常識を超えた面白いことがしばしば起こります。でも、「常識を超えた面白いこと」に気が付くためには、常識を理解し、でもそれに縛られないで、自然現象を素直に見つめる心も重要になってきます。どうぞ、皆さんにはきちんとした常識と素直な目を自ら育て、新しい世界を深め進展させていく主役として活躍してほしいと願っています。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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