「外部院進」。あまり聞きなじみのない言葉かもしれない。私は高知工業高等専門学校の専攻科を修了し、この春から豊橋技術科学大学の大学院に進学した。
高等専門学校、いわゆる高専は5年間の教育課程を持ち、卒業すると準学士となる。さらに2年間の専攻科を修了すると学士の学位を取得できるため、他大学の大学院への進学も選択肢に入る。私は7年間所属した高知高専を離れ、本学へ進学してきた。高専には修士課程以降がないため、一般的な外部院進とは少し違うかもしれないが、大学院生にして新入生になったのである。
22歳にして、これまで住んでいた高知を遂に出る。友人はできるのだろうか、研究室にも受け入れてもらえるのだろうか。正直、わくわくよりも不安な気持ちで眠りにつくと、起きたときには入学式の時間がすぐそこまで迫っており、入居したばかりの学生宿舎を大慌てで飛び出した。そんな初日だった。
新入生ガイダンスでもらった資料には、「応用化学・生命工学専攻」という言葉があった。私はそこに所属するため、まあ当たり前である。当たり前なのに、見慣れない。まったくといっていいほど、自分になじまない。つい3月まで、私は機械工学を専攻していたからだ。作業着を着たり、ロボットを設計したりしていた。そんな私が、今日から白衣を着て、試薬やらピペットやらを手にすることになる。
高専では、機械科ながらプラズマにまつわる研究をしていた。それを大学院でも続けたいと考え、共同研究をしていた本学に来た。高知高専は、高度ハイブリッド型人材の養成を目的とした「ソーシャルデザイン工学」を掲げ、学科を問わず希望する研究室に所属できるシステムがあった。なんとなく言葉の響きがかっこいいという理由で、私はプラズマの研究室に所属していた。それはそうと、機械から化学への思い切った分野転換である。これまでの7年間で身につけた知識が、どこまで通用するのか分からない。研究、講義、学生生活……。
入学して4か月が経とうとしている。本当に忙しく、あっという間だった。毎日が新しいことの連続で、とにかく新鮮な日々を過ごしている。講義室に女子学生がたくさんいて驚いたのもつかの間、新しくできた友人たちは異分野から来た私を温かく迎え、分からないところを丁寧に教えてくれている。課題が出るたびに、初めましての用語の羅列が襲ってくるが、それでも楽しく学べている。
これまで学んできた機械分野と、これから学んでいく化学分野。この二つを生かせる分野で、将来は活躍したいと思っている。高専在学時にはいまひとつピンとこなかった「ソーシャルデザイン」の考え方が、今ではすっかり自分の目指す姿になった。研究も少しずつ進み、ピペットの使い方にも慣れてきた。しかしながら、豊橋の暑さにだけはまだ慣れない。
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