トップページ > 生レポート!現役学生の声 > 食べられる蜃気楼

生レポート!現役学生の声

食べられる蜃気楼

2025年2月13日
北見工業大学 博士前期課程 工学専攻
情報通信工学プログラム 1年
T.M.

 皆さんこんにちは!私は、北見工業大学大学院の情報通信工学プログラムというところに所属しており、その中の情報フォトニクス研究室で、厳冬期の光学現象についての研究をしています。 北見工業大学が位置する北海道のオホーツク地域では、冬は-20℃近くまで気温が下がる厳しい寒さになります。しかし、そんな厳しい寒さならではの研究を行うことができます。

凍った湖の上凍った湖の上

 これは研究室のみんなでオンネトーという場所に現地観測に行った際の写真です。実は、私たちが立っている場所は凍った湖の上なんです。凍った湖の上に立って、湖の底から発生するガスが湖面の氷の中に気泡として閉じ込められるアイスバブルというものを観測している様子です。

蜃気楼の観測蜃気楼の観測

 他にも、屈斜路湖へ現地観測に向かったり、学会に行った先では「蜃気楼」という現象の観測をしています。「蜃気楼」というのは、大気中の密度差によって光が屈折し、離れた景色が伸びたり縮んだりして見える現象です。

人工蜃気楼ゼリー人工蜃気楼ゼリー

 現在私は、人工蜃気楼ゼリーの作製を行っています。蜃気楼を人工的に再現するために使用される教材が、砂糖水と水で作製されていたことに着目し、美味しく食べながら学べる蜃気楼ゼリーの作製を目標にしています。また、オホーツク地域の観光資源である流氷をモチーフにした蜃気楼ゼリーを作ることで、地域振興に繋げることも目標の一つです。

 ゼリーの作製と聞くと、工学部らしくないと感じるかもしれませんが、屈折計や分光光度計を使用したり、コンピュータ上でシミュレーションを行ったりと工学部らしい研究も行います。 工学部を選んだきっかけは、高校生の頃は物理が好きだったので工学部も楽しそうだなと思ったことで、あまり深く考えて進学を決めたわけではありませんでした。 ですが、私の地元である兵庫県では経験したことのない、雪のある冬を初めて過ごした時、朝日が昇って雪面がキラキラしている景色に感激して、冬の光学現象を研究できる研究室を選択し、現在の研究や充実した日々へと繋がっています。

 大学を選ぶ時にはたくさんのことに悩むと思いますが、私のように思い切って今まで住んだことのない場所の大学を選ぶのもまた、新たな経験ができるチャンスかもしれません。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

北見工業大学
工学部

  • 地球環境工学科
  • 地域未来デザイン工学科

学校記事一覧

生レポート!現役学生の声
バックナンバー

このサイトは、国立大学56工学系学部長会議が運営しています。
(>>会員用ページ)
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。
これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。