私は、神戸大学大学院 海事科学研究科 海事科学専攻 海洋安全システム科学コースに所属している修士1年の大学院生です。現在は、機能性材料研究室で生分解性のガスバリア膜の研究を行っています。
私が行っている研究について紹介します。私の所属する研究室は「有機-無機ハイブリッド材料」が主な研究テーマです。有機-無機ハイブリッド材料は、高分子などの有機物とガラスの主成分であるシリカのような無機物が化学結合し、分子レベルで結合したものです。この材料のように無機物と有機物の両方の性質を持った新たな材料の開発が注目されています。
私は、ラップやパッケージに用いられるガスバリア膜について研究していますが、現在使用されているガスバリア膜の中には化石燃料が由来となる材料が多く含まれています。化石燃料は、資源が有限であることから枯渇の心配や、廃棄の際に燃焼され排出される二酸化炭素による地球温暖化、また環境中に残存することなどの環境や生態系などへの影響が課題として取りあげられています。そこで環境中で分解する生分解性材料を有機-無機ハイブリッド化することで、内容物の劣化などの原因となる酸素や水蒸気の透過を防ぐ生分解性の有機-無機ハイブリッドガスバリア膜の研究を行っています。最も機能性が高い組成を発見するために、膜を作製し、酸素透過率や透湿度の測定などを行っています。
私が海事科学部を選んだ理由としては、2つあります。まず、生分解性についての研究ができることです。高校生の頃から生分解性について興味があり、生分解性の研究を行っている大学について調べていた時、神戸大学海事科学部を見つけました。もう一つは入学してから様々な選択肢があることです。学科に配属される前はもちろん、当学科に決定してからも気象学や放射線、防災など多種多様な講義を受けることができ、新たな興味を持つことができる環境だからです。入学する前には経験できないことを学べるので、今は特にやりたいことがない人や様々なことを学びたいという人には向いているのではないでしょうか。
これから大学や学部を決める方にとって参考になれば嬉しく思います。
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