この「現役学生の声」のページには各大学で高く評価されているであろう”優秀な”学生の皆さんの言葉が多く記されているように感じます。おおまかには「研究」「留学」といったキーワードから、自分の経験がいかに面白いか、そして、学生をサポートしてくれる大学がいかに素晴らしいものかを紹介するものがほとんどだと思います。こうした投稿に胸動かされ、希望を持つ中高生も多くいるのでしょう。
一方で現実を見ると、当たり前ですが、大学生の誰しもがここに書かれているような大学生活を送っているわけではありません。私の友人には、大学生活で挫折し中退して大学を去っていった方もいます。しかしながら、そうした方が必ずしも”能力の低い人材”というわけではありません。彼らの中には、今では大手やオンリーワン技術を有する企業の若手エースとして働いている方が実際にいます。
彼らの多くに共通している点として、「大学での学びに”目的意識”を持てていない」という点が挙げられます。これについて、私自身も「大学で扱われている全ての教育が意味あるものだ」とは思っていません。理由は長くなるので省略します。ただし、前述の”目的意識”というものをもって入学し大学生活を送れるかどうかが、大学生活の価値に直結する最大の要因であると私自身は考えています。
さらに昨今、”職業訓練校”となりつつある大学の価値について様々な議論が交わされています。特に、今年8月に発表されたGoogleによるオンライン職業訓練プログラム(1)は、従来大学が担ってきた、情報系学科の教育の一部(特に社会で実用されている技術に関するもの)を取って代わるものになるのではないかと期待されています。
こうした話は、中高生の皆さんが、そもそも大学に進学する価値を再考する良い機会になると私は考えています。ちなみに私は、一度地元企業で高卒で働いた後に大学に入学しました。大学は単なる道具であり、通過点にすぎません。決して目的にはなり得ません。皆さんにとっての大学とは何でしょうか?前例に囚われず自由に思考してみてください。
(1) Gigazine、 "Googleがわずか6カ月で修了可能&学費が安価な高成長分野向けのオンライン職業訓練プログラムを発表"、https://gigazine。net/news/20200824-google-career-certificates/
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