私は香川大学工学部材料創造工学科(現 創造工学科 材料物質科学コース)に在籍していました。高校生の時から材料科学に興味を持っていたので上記学科を選択し、大学で学ぶ中でセラミックス材料に興味を持ち、セラミックス材料の研究を行っている楠瀬尚史先生の研究室に在籍しました。研究室では、絶縁性酸化物セラミックスの体積抵抗率の制御についての研究を行いました。2016年3月に修士課程を修了して、愛知県の日本特殊陶業株式会社に入社、その後、事業系会社の分社化により、半導体製造装置向けのビジネスを担当する株式会社NTKセラテックに転籍しています。入社後の3年間は愛知県の工場で半導体製造装置に使用する部品の設計を行い、4年目から9年目は技術営業としてお客様の拠点に出社して、設計/性能の議論や、市場調査などを担当、2025年からは自社工場に戻り、開発を主導するチーフエンジニアとしての役割を担っています。
ほとんどの場合、研究室で行っていたテーマ/作業と、会社で担当する業務は異なることが多いです。私も同じで、研究室ではセラミック材料の開発を行っていましたが、入社後は製品の設計/評価業務、お客様対応業務、市場調査などの材料開発とは全く異なる業務に携わっています。しかし、研究室で学んだことが、役立っていないかというと、そうではありません。弊社製品の重要な部分にはセラミックスを使用しているのですが、不具合調査や次世代開発の際に、大学で学んだ知識を活かした考察や提案をする場面があり、私の隠れた武器になっています。
過去に読んだ本に「エンジニアは得意分野が1つでは平凡、2つ、3つの得意分野を持ちなさい」という文章がありました。私は入社後に習得した設計/評価やお客様対応という武器、研究室で学んだセラミックスの知識という武器、これらを駆使して社会で活躍できています。
大学や研究室選びで悩んでいる人も多いかと思いますが、入った大学や研究室で興味を持てるテーマと出会えたなら、もちろん没頭してください。与えられたテーマにどうしても興味を持てなかったとしても、淡々とこなしてみてください。大学で得た知識や経験は、あなたが社会に出た際に、必ずあなたを助けてくれる武器になるはずです。
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