私は機械系の大学院に進学し、研究室では、発電や航空機のエンジンに使用されている「ガスタービン」を対象とした研究をしていました。「ガスタービン」の魅力は、機械工学の様々な知識や技術が詰まっていることです。私は、大学での講義や研究活動を通して、「ガスタービン」の奥深さに魅了され、将来もその研究・開発に携わりたいと考えていました。
大学院を修了した後、川崎重工業株式会社に入社し、現在は産業用・航空用ガスタービンエンジンの研究・開発を行っています。主にガスタービンの圧縮機の空力関係を担当し、圧縮機リグ試験機の設計・製作や、試験による性能取得、圧縮機設計に必要な基盤技術の獲得などに取り組んでいます。学生時代からの願いが叶い、ガスタービンの研究・開発部署に配属されたことを嬉しく思っています。
こんな私から、機械系の学生に伝えたいことが2つあります。
企業での研究・開発において、研究室生活で培った研究スキルや経験、講義で学んだ専門知識等が役に立ちます。一方、機械系の基礎である4力(機械力学、材料力学、流体力学、熱力学)に加え、電気・通信関係の知識やプログラミング・PCなどのスキルも必要になることがあります。特に近年は業務効率化やIot(Internet od Things)の流れから、機械系エンジニアでも電気・通信やプログラミング・PCのスキルが求められていると感じています。機械系だからと言って敬遠するのではなく、電気系や情報系などの様々な分野に興味を持ち、積極的に学ぶことをお勧めします。
私が所属した研究室では、実験装置を一から設計製作することが多く、私自身もいくつかの実験装置の製作に携わりました。そして、構想・設計・材料調達・加工・組立というものづくりの過程において、大学で学んだ知識を実際に使うことで、学問への理解や興味を深め、ものづくりの楽しさを実感することができました。企業では、担当部署が存在するため、これら一連の流れをすべて経験することは難しく、大学ならではの貴重な経験ができたといえます。ものづくりにおいて、数値解析も重要な役割を担いますが、機械系エンジニアにとって重要なことは実際にものに触れて考えることです。働いたときに確実に役に立ちます。小さなものでも良いので、ぜひものづくりに挑戦してみてください。
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