2020年9月現在、私は(株)商船三井の自動車船部という部署でアフリカ航路の営業担当として働いています。自動車メーカー/建設機械・トラックメーカー/商社に営業活動を行い、お客様から選んで頂けるように顧客ニーズを汲み取りながら、担当航路の採算向上を目指しています。また、貨物の出荷が想定と違う場合には原因を分析し、世界各国の拠点にいるローカルスタッフとも協働しながら最新動向をモニターしていくことも重要な役割です。
私は高校生の頃から造船業に興味があり、海事科学部への入学を決めました。一方、大学入学後は乗船研修をはじめとする多くの実習を通じ、大好きな海と船というフィールドで働いているのは造船技師や船乗りだけではなく、様々な職種の人たちがいることを知りました。現在の仕事である「海運業」も大学入学後に知った業界でした。「船」という一文字の裏には、造る人、買う人、借りる人、使う人、動かす人、誘導する人、修繕する人、解撤する人、、、本当に多くの人や会社が関わっています。今となっては”当たり前”に感じますが、大学時代には様々な分野の専門家である先生方から講義を受ける中で「へぇ~、こんな分野もあるんだ。」と気付きに溢れていたことを本稿を執筆しながら思い出しています。
大学での学び方は、高校までとは比較にならないほど自由です。どの講義を受講するのか、どの研究室に入るのか、何をテーマに卒論を執筆するのか。挙げればキリがありません。しかしながら、社会に出ると学び方は更に自由になります。究極に、自分次第です。私は講義に出席するだけが学びとは考えたくなく、声を大にしては言えませんが、大学時代は決して真面目な学生ではありませんでした。しかし、面白いと思ったことや必要と感じたことは自分でも調べ、機会を見つけて深掘りするようにしていました。これは現在も変わらず、より自由に学べる今は学生時代を含めて一番学ぶことに面白さを感じています。自ら選んだ道で学ぶことの面白さに気付くことが出来たのは、間違いなく大学時代のおかげです。
海事科学部は一般の工学部よりもフィールドとしては専門的かもしれません。しかし、扱っている分野の幅広さは負けず劣らずで全国的に見ても非常にユニークな学部だと思います。自分の進みたい道が決まっていない高校生、海や船が好きな高校生は、より多くの道に繋がる場所で自分で道を選びながら学んでみることを推奨します。そうすれば、数年後、数十年後には自分でも想像できなかった場所で活躍している自分と出会えるかもしれません。
掲載大学 学部 |
神戸大学 海事科学部 | 神戸大学 海事科学部のページへ>> |
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |