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生レポート!卒業生の声

技術者の未来予測

2020年3月13日
横浜国立大学 工学部 物質工学科
製薬会社 / 製剤技術研究 勤務 M.Y.

 大学での経験が社会に出てから活きることは、沢山あると思います。専門知識を培う勉学、学業とバイトとサークルのマルチタスク処理能力、それらの経験の中で様々なタイプの人と触れて養われるコミュニケーション力、研究室で延々繰り返す挑戦と反省のサイクルとめげない忍耐力。直接的に何の役に立つ、と関連づけるのは難しいかもしれませんが、そのどれもが今の自分を形成する大切な礎となっています。

 昨今、ITなどの技術革新がトリガーとなり、社会は目まぐるしく変容しています。私自身何年か前までは、電子マネーがこれ程早く普及すると思っていませんでしたし、5Gでオリンピックが観られる日が来ようとは、想像もしていませんでした。社会の変容に伴い変化する需要にいち早く応えるために、技術者として時代を如何に先取りして読むかが非常に重要です。例えば私が勤める製薬会社を例に取りますと、一つの製品を開発するために沢山のナレッジを蓄積して有効性と安全性を確かめ、そのデータを説明して厚労省の販売許可承認を得るまで10年の歳月を掛けるのが当たり前です。薬に流行り廃りなどないと思われるかもしれませんが、患者さんのライフスタイルや医療技術に合致した薬を設計するためには、発売になる10年後をイメージしながら薬を開発しなければなりません。そうでなくては、会社として収益を最大化できませんし、患者さんや医療従事者の皆さんに喜んでもらうこともできないからです。さて、皆さんは10年後の社会がどんなものであるか、イメージできますか?創薬技術は、製薬業界は、皆のライフスタイルは、医療制度は、物流は、通信技術は、どうなっているでしょうか?正確な予測が難しくなってきている中、少しでも予測精度を高めるために必要なのは、継続的且つ幅広い情報収集力と論理的な解析能力であると私は考えます。論文からテレビSNSまで様々なジャンルの情報に触れて視野を広げること、自分の業界や得意分野について深く知ること、それらの情報を多面的に評価すること、評価結果を元に未来を想像すること、その未来予測を検証すること、そのサイクルをずっと続けていくこと、そしてそれに合わせて自分や周囲にも変化を起こすこと。この辛く楽しいサイクルを必死に回す頃になって、学生時代に余裕のあった時間やエネルギーを費やした様々な経験や思考が自分の根底にあることが、何物にも代え難い貴重な財産であったと、漸く思い至るのです。製薬業界は開発期間が長い特殊業種かもしれませんが、様々な業種、職種で同じようなスキルが必要になるものではないでしょうか。

 かつて「こんな勉強が何の役に立つのか」「何事も経験だなんて説教は沢山だ」と学生時代はあらゆる面倒を嫌悪した私ですが、当時の自分に言いたいのは、「将来何が役に立つかわからないから、騙されたと思って、学業も遊びも何でも挑戦しておけ!」です。皆さんも学生のうちに、ちょっとした挑戦を沢山積んでおきませんか。騙されたと思って。

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