高校時代に、理系の道に進むことは確定していましたが、電気・機械・建築・土木と様々な分野がある中、どの道に進むかどうか非常に悩みました。将来は「ものづくり」をしたいという希望があり、どの分野のものづくりも魅力的であったため、進路選択には非常に時間がかかりました。そして、最終的には「つくるものは大きい方がよい」ということで、スケールの大きなものづくりに携わることができる土木・建築分野を選択しました。
私の場合、業務が研究そのものですので、学生時代に培った研究スキルが、直接役立っています。特に役立っていることが、構造解析に用いられる手法の理論を詳細に勉強し、プログラムを作った経験です。大学院博士前期課程の1年目に、新しい研究の基礎となる構造解析理論を把握するため、先生2人と私の3人で教科書と論文を輪講した経験があります。非常に難解な教科書で、1日の輪講のために何時間も悩んで苦労しました。何とか読破した後、それを基にシミュレーションプログラムを作りましたが、これも悪戦苦闘し、完成まで1年ほどかかりました。
非常に苦労しましたが、業務で構造解析を行う上で、この経験は大変役立っています。使用するソフトウェアの説明書には、当時学習した教科書と同じことが書かれてあるだけなので、容易に理解できます。当時の経験がなかったら、内部でどの様な計算を行っているか理解できず、エラーに遭遇した場合は原因の究明が困難になったと思います。
また、専門の構造解析以外でも、鉄筋コンクリートの基本設計や測量技術は、業務に使用する機会があり、非常に役に立っています。一度体系的に学習したことは、何らかの形で業務に生きてくると思います。
真夜中に交換した線路の上を、翌朝何事もなかったかの様に列車が走っていきます。知らない方から見れば日常の何気ない光景ですが、それを実施する仕事は大変やりがいがあります。さらに、海外での活躍の場が急速に広がっています。土木技術者を目指す皆さんには、スケールの大きい仕事に携わることに、希望を持って進んでほしいと思います。
掲載大学 学部 |
新潟大学 工学部 | 新潟大学 工学部のページへ>> |
私たちが考える未来/地球を救う科学技術の定義 | 現在、環境問題や枯渇資源問題など、さまざまな問題に直面しています。 これまでもわたしたちの生活を身近に支えてきた”工学” が、これから直面する問題を解決するために重要な役割を担っていると考えます。 |