私は長岡技大の学部3年生に高専から編入し、博士後期課程まで7年間在学していました。大学では、新しいガラス材料の開発をテーマに日々研究していました。修了後もガラス会社に勤務し、ガラス材料の開発を続けています。
学部の頃にできた貴重な体験は、海外でのインターンシップです。長岡技大では、5ヶ月間という長い期間、インターンシップとして企業で働く機会があります。私はマレーシアにある自動車会社の工場で働いてきました。インターンシップ期間中は単なる労働力ではなく、製造工程の改善提案を出し、実際に改善に取り組むという仕事をやらせてもらいました。自分にとって初めての海外、初めての工場勤務という、右も左もわからない状況から始まったインターンシップでしたが、身振り手振りで周りの人とコミュニケーションを取り、工程の中の問題点を見つけ出して、必死に改善に取り組みました。それまでは学生として気楽に生活していた私でしたが、このインターンシップのおかげで、“働く”ということの意味が分かったように思いました。
大学院では研究が生活の中心となり、毎日ガラスの研究を行っていました。実験は毎回上手くいくわけではなく、逆に上手くいかないことの方が多いため、何度も挫折しそうになりました。しかし、失敗の中で解決に向けて試行錯誤していくのが非常に楽しく、『ガラス』という分野にのめり込んでいきました。大学ではガラスを研究材料として見ていましたが、博士課程で研究を続けていく中で、“自分が開発したガラスで、製品として売れるものを作りたい”という気持ちが強くなり、ガラス会社に就職しました。
私の場合は大学で選んだ研究テーマが一生の仕事になりましたが、仕事だけでなく、大学で得られた友人や先輩、先生方との関係も一生の財産となっています。これから大学に進学される皆さんも、大学での出会いや経験を大切にして欲しいと思います。
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