興味を持って経験をする大切さ |
私が初めてコンピュータを触ったのは小学生のときでした。何がそうと感じさせたかはわかりませんが、「この機械は面白い」という感想を抱き、もっと知りたいと思いました。その後PCが普及してきて自分でも使うようになりましたが、使い方がわかっただけで「コンピュータの知識」を得たわけではありませんでした。
静大情報学部のオープンキャンパスに参加したときに「CPUを自分で作成します」という説明に衝撃を受けて、静大情報学部を受験しようと決めました。
入学をして、1、2年次には基礎の講義やプログラミングの実習など受けました。そして、大学の3年次に念願だったCPU設計の実習を履修ました。とにかく大変だったことと、論理的な物の見方書き方を覚えておらず、何度もレポートを書き直して辛かったことを覚えています。しかし、最終的に自分で作成したCPUでプログラムが動いたときは、夢が叶ったような気持ちになりました。
静大情報学部では文工融合を掲げており、文系の先生方もたくさんいらっしゃいます。私はたまたま理系コースを選びましたが、哲学や心理学を専攻した友人も居ます。興味のある分野の先生の講義を聴きに行ったり、ゼミに混ぜてもらったりもしました。今まで学んできたこととは違う考え方を得られ、非常に有意義だったと思います。
卒業研究では無線端末を使って獣の接近を検知し、農作被害を軽減するシステムの開発と評価を行いました。何もない状態からシステムを作成したため、常に手探り状態で研究を進めて行きました。システムを作成していく中で、「こんなこと勉強して何の役に立つんだよ」と思っていた講義の内容がとても役に立ったり、関係ないと思っていた複数のことがらが密接に関係していることがわかったりしました。試作システムは多くの方々の協力のもとに完成し、山間部の農地に設置させて頂いて稼働テストを行うことができました。協力して下さった農家の方から感謝の言葉を頂いたときには、自分の作った物が役にたっているという喜びを感じました。しかし、同時に「期待外れだった」という厳しい意見も頂きました。試作システムとはいえ、大きな期待を寄せて下さっていた方には申し訳なく思っています。
物事をどう進めたらうまくいくか、困ったときにどうしたらいいのかなど、座学ではわからないことを身につけられた研究期間だったと思います。また、自分の作った物の評価がダイレクトに届くという貴重な経験をさせていただきました。
今、私は母校の技術職員として働いています。この職場は学生時代に学んだことを生かせることが多く、自分はとても幸運だと思っています。多くの皆さんは社会に出たら今まで勉強したことなんて役に立たないと思えてくるでしょう。しかし私が研究室時代に経験したように、いつかきっと学んだこと・体験したことは思いかげない形で役に立つと考えています。興味のあることには何にでも挑戦し、たくさん経験を積んで欲しいと思います。
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