大学生活で学ぶ「知識」より重要なこと |
私は製鉄所にある発電所やエネルギーセンターの操業管理をする仕事をしています。
「操業管理」の内容は、事務的な数字の管理から、設備のトラブル対応、ユーティリティの需給調整、発電所設備の工事工程の管理など幅広く、勉強の毎日を過ごしています。しかし、難解な専門知識がなければ仕事ができないというわけではありません。大学で学んだ基礎科目(材料力学、熱力学など)の知識があれば大抵の業務はこなせます。専門的な知識が必要な時は、その都度専門書を開けば良いのです。
私は、「知識」より重要なことは「論理的思考力」と「表現力」だと思います。
たとえ自分の頭の中でどれだけ難しい式が解けても、それを簡潔に、誰にでも分かるように説明、説得できなければ上司はおろか誰も納得してはくれません。一人で仕事を進めることが可能な職種につけば、それでも良いかもしれませんが、組織として仕事を進めるためには、直面した課題に対し筋書き立てて答えを導き出す「論理的思考力」と、それを的確に説明する「表現力」が必要不可欠だと思います。
大学生活においてこの2つの力を学ぶのは、まさに「卒業論文」です。
論文を書くためには、緒言に始まり結言に終わる筋書きの展開が必要であり、また最後にその論文を専門外の人にも論文発表の場で分かり易く説明しなくてはいけません。
学生の皆さんは、ぜひこの「論理的思考」と「表現力」を身につけるべく日々の研究、論文作成に 臨んでください。きっと社会に出た時に今の私と同じ事を後輩に言っていると思います。
掲載大学 学部 |
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