2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震が起き、津波も発生して東京電力福島第一原子力発電所で電源が失われ、燃料棒に使用されたジルカロイと高温水蒸気の反応により水素が発生し、水素爆発が起きました。原子力発電所の最後の砦となる格納容器からも水素が漏洩し、水素が高温状態で格納容器の内部に滞留し、水素が格納容器からも漏洩した後、格納容器と建屋の間で水素爆発が起き、格納容器外壁には水素爆発の影響も残りました。その時の高温状態の水素暴露が格納容器内壁の機械的性質に及ぼす影響を明らかにするため、水素燃焼装置とデジタル画像相関(DIC)法を用いた脆化挙動の評価を行っています。
図2 DICを用いたひずみの定量化
図1. Arduinoとリニアステージを組み合わせた自作の水素燃焼制御装置を開発し、ブンゼンバーナーを用いて、100%水素ガスに着火して水素火炎を発生させ、高張力鋼板に一定量の温度と時間で水素原子を導入するシステムを構築しました。本学の学生は約8割が高専を卒業した学生から構成されているため、3DCADを用いて図面を描き、実験に必要な装置の設計開発も行っています。リニアステージの送り速度を変えることで、試料温度を制御することができます。
図2. 引張試験片の表面にパターニングを施すことで、DICを用いてひずみ分布を可視化することができます。試験片の標点部近傍が塑性変形の進行に伴いくびれ始めると、ひずみの分布(微小ひずみ 垂直ひずみ)を示すバーの色が、緑色から黄色、そして赤色に変わっていきます。水素を表面から導入すると、どのようにこのひずみ分布が変化するのか、定量的に評価し、水素燃焼による脆化挙動を明らかにしています。
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