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授業紹介

人間を統合的に捉える視座の学び ‐共感を生む魅力的なモノづくりの基盤教育‐

 コロナ禍は、「工学」と「人間」の関係を問い直す歴史上の転換点となりました。人と人とのコミュニケーションが制限される中で、動画配信やオンラインライブ等のヴァーチャル空間の利用が拡大化していることは、共生・共感に向かう人間の心理的欲求の現れと言えます。一方、ウイルス感染により人間が死に至る事実は、「人間=脳」と捉えがちな現代人に身体性を再認識させ、人工知能や幹細胞技術等による「不死化」の途上に私達が立っていることを浮き彫りにしていると言えます。つまり、ポスト・コロナを前に、「ヒトとは何か」があらためて問われているのです。

 コロナ禍に先立つ2019年4月、宇都宮大学工学部は「22世紀をデザインせよ!」を掲げて改組し、「感性科学入門」と「生命人間科学」を1年次の必修科目として開講しました。前者は心理物理の視点から、社会やコミュニティーにおける人と人とのつながりの中での、個人としての人間を理解させます。一方、後者は物質とエネルギーの視点から、分子レベルのモノとモノとのつながりの集合体としてのヒトを扱います。いずれも人間を細分化するのではなく、統合的に捉えることを意識して、22世紀の工学の視点から「ヒトとは何か」に答えようとするユニークな科目です。

「感性科学入門」は、感性を工学的に扱うことを「講義」と「体感」で学び、共感を生むモノづくりの基盤となる教育を目指す科目です。人間の反応や行動(出口)は、映像や音声等の特徴やそれらを提示する環境(入力)だけではなく、それらを視聴して生じる感覚や感性及びその源となる経験・知識等(内部状態)に依存します。そこで、この科目では、映像や音声等の特徴、視聴覚環境、眼や耳の構造・仕組み、感覚の脳内での情報処理、感性の想起と、人間の経験・知識等が感覚及び感性に及ぼす影響について、映像や音声等による視聴の実体験(体感)を交えながら講義し、人間を統合的に捉える視座を系統的に学びます。そして、グループワークを通じて、個々人の感覚や感性に独自性と共通性の両方があることを気づかせることにより、共感を生む魅力的なモノづくりにおける創造力の育成を目指します。

宇都宮大学工学部基盤工学科
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