鉄道車両の輪軸(りんじく)は、左右二つの車輪を一本の車軸に固定したものです。鉄道の車輪は、踏面(レールと接する面)がわずかに傾いています。この形には、輪軸がレールに沿って進むための大切な働きがあります。紙コップで輪軸の模型を作り、レールの上を転がして、その動きを観察してみましょう。
*「ぶつかり防止クッション」などの名称で販売されている場合もあります。太めのひもでも代用できます。
作り方は簡単です。二つの紙コップの飲み口を合わせ、ずれないようにセロハンテープで固定して輪軸の模型を作ります。次に、2本のコーナーガードを平行に並べ、鉄道のレールに見立てます。
2本のコーナーガードを平行に並べ、その上で模型を転がします。模型をレールの中央から少し左右にずらして転がすと、中央を通り越しながら、左右にくり返し動く様子が観察できます。これは、左右の紙コップでレールに接する部分の半径が変わり、一回転で進む距離に差が生じるためです。この実験で見られる運動は、輪軸の幾何学的な蛇行動といわれます。レールの間隔を変えると、左右運動の波長(同じ動きをくり返すまでに進む距離)も変わるので確かめてみましょう。
輪軸が左右に一往復する間に進む距離を、ここでは「波長」と呼びます。すべりがなく、車輪踏面が円すい形であると仮定すると、波長(幾何学的波長)は式で表せます。bは左右のレール間隔の半分、r0は中立位置での車輪の半径、γ(ガンマ)は車輪踏面の勾配です。式から、レール間隔や車輪半径が大きいほど波長は長く、車輪踏面の勾配が大きいほど波長は短くなることがわかります。
下に示すさまざまな輪軸を作り、同じ条件で転がして、動きの違いを比べてみましょう。左右で異なる紙コップを使った場合や、片側を円筒形にした場合、輪軸はどちらへ進むでしょうか。また、レールの中央へ向かう動きは見られるでしょうか。転がす前に予想し、観察した結果と比べてみましょう。
一般的な鉄道車両では、二つの輪軸を台車枠に取り付け、ばねやダンパで支えた台車が使われています。円すい形の車輪踏面には、曲線に沿って進みやすくする働きがある一方、条件によっては左右の振動を大きくする性質もあります。そのため実際の台車では、車輪踏面の形、輪軸を支えるばねやダンパ、走行速度などを考え合わせ、曲線を通過しやすく、直線では安定して走れるように設計します。
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