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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

たまねぎの皮でしぼり染めをしてみよう
―天然色素を布に残す化学―

2026年7月24日
埼玉大学 工学部 応用化学科
松下 隆彦

はじめに

 たまねぎの外皮には、黄色から茶色に見える天然色素が含まれています。この実験では、捨ててしまいがちな皮から色素を取り出し、木綿ガーゼをしぼり染めします。

完成した絞り染めガーゼ

用意するもの

 たまねぎ外皮、木綿ガーゼ、豆乳、重曹、焼きミョウバン、輪ゴム、深さのある容器、たまねぎの皮を入れるネット、割り箸・トングなど。

注意

 染液、重曹水、ミョウバン水溶液は飲まないでください。70~80℃程度のお湯を使うため、やけどに注意してください。小さい子どもが行う場合や、お湯の扱いに不安がある場合は、大人と一緒に作業しましょう。染液で服や机に色がつくことがあるため、新聞紙などを敷き、手袋を使うと安心です。豆乳にアレルギーがある場合は注意してください。

実験方法

  1. 豆乳でガーゼを下処理している様子
    豆乳(200 mL)と水(200 mL)を混ぜた液に木綿ガーゼを20分ほど浸し、軽く絞って乾かします。
  2. たまねぎ外皮を重曹水に浸している様子
    たまねぎ外皮(15 g程度、たまねぎ4個分)をネットに入れ、重曹(2 g)を水(400 mL)に溶かした液に一晩浸します。皮が浮くときは、割り箸やトングなどでゆっくり押して空気を抜きます。
  3. ミョウバン水溶液でガーゼを処理している様子
    焼きミョウバン(10 g、小さじ2)を70~80℃程度のお湯(500 mL)に溶かし、よく冷ましてからガーゼを5分浸します。
  4. 輪ゴムでしばったガーゼ
    水でさっとすすいで固く絞り、輪ゴムで数か所を強くしばります。
  5. 完成した絞り染めガーゼ
    たまねぎ染液に1時間浸し、輪ゴムをつけたまま軽く水洗いします。その後、輪ゴムを外してもう一度水ですすぎ、広げて乾かします。

なぜ色が布に残るの?

 木綿はセルロースという高分子でできています。豆乳に含まれるタンパク質を布の表面に付着させると、たまねぎ色素が残りやすくなります。ミョウバンは、天然色素で布を染めるときに使われる媒染剤の一つで、ミョウバンに含まれるアルミニウムイオンは、発色や色落ちのしにくさに関わります。輪ゴムで布を強くしばると、その部分には染液が入りにくくなるため、白い模様ができます。このように、布の一部をしばって模様を作る染め方を「しぼり染め」といいます。

条件を変えるとどうなる?

「豆乳処理の有無」と「ミョウバン処理の有無」を変えた4つの条件で染め比べました。その結果、豆乳処理の有無で色の濃さが大きく変わり、ミョウバン処理の有無でも色合いに違いが見られました。同じたまねぎ染液を使っても、布に行う処理を変えると染まり方が変わることが分かります。

4条件の染め比べ結果
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