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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

ダイラタンシーボールを作ってみよう

2024年8月30日
群馬大学 理工学系技術部
齋藤 昭吾

はじめに

 科学には不思議な現象がたくさんあります。ここではキッチンにある身近にあるもの(片栗粉)を使って科学の不思議を体験してみましょう!

準備するもの

  • 片栗粉(市販のものでOK)
  • ボール
  • 風船(大きめの風船の方がダイラタンシーの種を入れやすい)
  • 500ml空のペットボトル
  • おたま(スプーンでも可能)
  • カッター

作り方

  1.  まず初めにダイラタンシー現象を楽しんでみましょう!
    片栗粉に水を入れてよくまぜると不思議な感触になります。
    (片栗粉と水の割合はだいたい2:1ぐらいを目安にいれます。)

     手で触って不思議な感触を楽しもう!

     固いような、やわらかいようなドロドロの液体になったらダイラタンシーの種の完成です。
    (指でゆっくり押すと柔らかく、強く推すと固い感じになります。これが、ダイラタンシー現象になります。)

  2.  ダイラタンシーの種を風船に入れるための道具を作成します。
    500mlのペットボトルをカッターで口から10cmぐらいのところでカットします。

     口の部分に風船を装着します。

     ダイラタンシーの種をお玉ですくって風船に入れていきます
    (口の部分で種が固まってしまう場合は割りばしでゆっくり押してみよう。)

     うまく風船にダイラタンシーの種が入ったら、ペットボトルから風船を取り外します。

     口を結んだらダイラタンシーボールの完成です。

解説・まとめ(ダイラタンシー現象について)

 水に溶いた片栗粉の様子は下の図のようになります。
水の中にはたくさんのデンプンの粒が入っています。デンプンは水に溶けにくい性質があるため粒の周りが水で湿った状態になっています。

図1.水に溶いた片栗粉の様子図1.水に溶いた片栗粉の様子

 たたいたり、強く握ったりして力を加えると、図2のように粒の並び方が変わります。すると粒同士の隙間が広がって水が内側に移動する現象が起こります。その結果、粒の表面が乾いたような状態になり、固くなります。

図2.外側に力を加えた状態図2.外側に力を加えた状態

おわりに

 今回のように家にあるもの(片栗粉)を使って、科学の不思議を体験できることは日常生活の中にたくさんあります。まずは、不思議な現象を見つけたら、その現象が科学的にどのようなことが起こっているかを調べてみると、とても面白いかもしれません。是非、身近にある科学の不思議を体験して科学現象を楽しんでみましょう。

  • ※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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