色が異なる3枚の紙を用意します。例えば、赤、黄、青の3枚の折り紙を用意します。紙をカットするので、ハサミも用意します。
それぞれの折り紙を、次のように36個の小さい正方形にカットします。まず折り紙を6つの細長い長方形にします。この6つの長方形を重ねた状態で6つの正方形にカットします。すると、色ごとに36個の小さい正方形ができます。3色あるので、カットされた正方形は全部で108個できました。これで準備ができました。
まず、それぞれの色から2個ずつ、カットした正方形を手元に置きます。手元の(3色×2個の)6個の正方形を裏返しにし、どれがどれだかわからなくなるようにかき混ぜます。この段階では、6枚の正方形が裏返されていて、102個の正方形が表になっています。裏返されている正方形たちを裏返しのグループと呼ぶことにしましょう。表になっている正方形たちを表のグループと呼ぶことにしましょう。
次のルールにしたがい、正方形を取り出しては追加していくという操作を繰り返しながら遊んでみましょう。
裏返しのグループに2個以上の正方形があるとき、その中から2つの正方形を適当に取り出し表にして、表のグループに戻します。
このとき取り出して表にした正方形の色が
●赤、赤ならば、何も加えません。
●赤、黄ならば、表のグループから赤の正方形を3個取り出し、裏返して裏返しグループに加えます。
●赤、青ならば、表のグループから黄の正方形を1個取り出し、裏返して裏返しグループに加えます。
●黄、黄ならば、表のグループから青の正方形を1個、赤の正方形を1個取り出し、裏返して裏返しグループに加えます。
●黄、青ならば、表のグループから赤の正方形を7個取り出し、裏返して裏返しグループに加えます。
●青、青ならば、表のグループから黄の正方形を1個、赤の正方形を4個取り出し、裏返して裏返しグループに加えます。
裏返しグループに加えた正方形がどれがどれだかわからなくなるようにかき混ぜます。
たとえば次の例を見てみましょう。
選んだ正方形が赤と赤 → 裏返しのグループは赤が0枚、黄が2枚、青が2枚
選んだ正方形が黄と青 → 裏返しのグループは赤が7枚、黄が1枚、青が1枚
(1)
(2)黄と青を戻す
(3)赤を7枚追加する
(4)追加の赤を裏返す
選んだ正方形が赤と青 → 裏返しのグループは赤が6枚、黄が2枚、青が0枚
選んだ正方形が赤と赤 → 裏返しのグループは赤が4枚、黄が2枚、青が0枚
選んだ正方形が赤と黄 → 裏返しのグループは赤が6枚、黄が1枚、青が0枚
選んだ正方形が赤と赤 → 裏返しのグループは赤が4枚、黄が1枚、青が0枚
選んだ正方形が赤と黄 → 裏返しのグループは赤が6枚、黄が0枚、青が0枚
選んだ正方形が赤と赤 → 裏返しのグループは赤が4枚、黄が0枚、青が0枚
選んだ正方形が赤と赤 → 裏返しのグループは赤が2枚、黄が0枚、青が0枚
選んだ正方形が赤と赤 → 裏返しのグループは赤が0枚、黄が0枚、青が0枚
この例の場合、最終的に裏返しグループの正方形はなくなりました。
実際に、皆さんで何回か遊んでみましょう。
遊んでみて感じたかもしれませんが、裏返しのグループの正方形の個数は、途中増えたり減ったりしますが、最終的には0個になる(つまりなくなる)ような気がします。
これは本当でしょうか?
何回も試して実験してみましょう。
実験の結果はどうでしたか?
たとえば次の例を見てみましょう。
1回目:選んだ正方形が青と青 → 裏返しのグループは赤が6枚、黄が3枚、青が0枚
2回目:選んだ正方形が黄と黄 → 裏返しのグループは赤が7枚、黄が1枚、青が1枚
3回目:選んだ正方形が赤と黄 → 裏返しのグループは赤が9枚、黄が0枚、青が1枚
4回目:選んだ正方形が赤と青 → 裏返しのグループは赤が8枚、黄が1枚、青が0枚
5回目:選んだ正方形が赤と赤 → 裏返しのグループは赤が6枚、黄が1枚、青が0枚
6回目:選んだ正方形が赤と赤 → 裏返しのグループは赤が4枚、黄が1枚、青が0枚
7回目:選んだ正方形が赤と赤 → 裏返しのグループは赤が2枚、黄が1枚、青が0枚
8回目:選んだ正方形が赤と赤 → 裏返しのグループは赤が0枚、黄が1枚、青が0枚
この例のように黄の正方形が1個だけ残る場合もありますね。
この例の場合は8回目で終わってしまいました。
前の例では10回目で終わりました。
何回目で終わってしまうか実験してみましょう。
実験してみて気づいたかもしれませんが、裏返しのグループの正方形がなくなる場合はちょうど10回目で終わり、黄の正方形が1個だけ残る場合はちょうど8回目で終わります。
種明かしをしましょう。裏返しのグループの正方形は最終的になくなるか、黄の正方形が1個残ります。なぜでしょうか?赤の正方形を1円コイン、黄の正方形を4円コイン、青の正方形を5円コインだと考え、裏返しのグループを財布だと考えましょう。さらに、2円の商品を買うことを考えてみましょう。2円の商品を買うには2個のコインがあれば十分です。
このように考えると、裏返しのグループから2枚の正方形を適当に選ぶことは、財布の中から2枚のコインを適当に選ぶことに対応しています。例えば適当に選んだ2個の正方形が赤と青なら、適当に選んだ2枚のコインが1円コインと5円コインということになります。この場合、2円の商品を買うのに、財布から6円取り出したことになり、おつりとして4円もらうことになります。つまり4円コインが財布に戻ります。これは、黄色の正方形が裏返しのグループに追加されることと対応しています。
最初は1円、4円、5円コインがそれぞれ2枚ずつ、つまり合計20円分が財布に入っています。2円の商品を買い続けていくと、やがて財布の中身は0円になるか、そうでなければ4円コイン1枚だけが残ります。これは、最終的には裏返しのグループの正方形が0個になるか、そうでなければ黄の正方形が1個だけ残ることに対応しています。正方形が0個になる場合は、コインを使い切ったことになります。つまり、もともと財布にあった20円を使い切ったということです。
2円の商品を買い続けているので、ちょうど10回目で使い切ることになります。黄の正方形が1個だけ残る場合は、4円コインが1枚だけ残ったことになりますから、16円分使ったことになります。ですので、ちょうど8回目で黄の正方形1つが残ります。
なぜ赤や青の正方形が1個だけ残ることはないのでしょうか?
また、さきほどは、それぞれの色から2個ずつ正方形を選びました。
今度は、3色の中から適当に6枚選んだとしましょう。
この場合でさきほどと同じように実験すると、どんな結果になるでしょうか?
またどうしてそのような結果になるのでしょうか?
いろいろ実験してみてください。
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