人間や肉食動物は、対象までの距離や奥行き知覚する手がかりの一つとして、「両眼視差」を利用しています。これは、左右の目で見える画像が違うことを示していて、この違いを脳でうまく処理をして対象を立体的にとらえています。この両眼視差を利用した立体視は、ステレオグラムだけでなく、テレビや映画、携帯ゲーム機などの画面を立体的に見せる仕組みとして利用されています。
今回は、両眼視差が使えないときに、対象の立体的な認識がうまくいかなくなる現象を体験してみます。
AのデータはGathering for Gardner Paper Dragon in Great things on the web(http://www.ricardoaraujo.net/greatweb/gathering_for_gardner_paper_dragon.html)から取得できます。
同ページの中ほどの「Green Dragon」、「Blue Dragon」および「Red Dragon」のリンクから好きな色のデータをダウンロードしてください。
また、Paper Dragon by Jerry Andrus(http://www.jclahr.com/science/Illusions/3d/paper_dragon.html)からも取得できます。
印刷する
データをプリンタで印刷します。
切り抜く
・外周部分をハサミで切り抜きます。
・必要な部分にハサミで切れ目を入れます。
折る
・「MOUNTAIN FOLD」の破線ガイドの部分は、山折りにします。
・「VALLEY FOLD」の破線ガイドの部分は、谷折りにします。
※顔の部分は凹むような構造になるはずです。
組み立てる
・「TAB A」と「TAB B」を差し込みます。
・「TAB C」と「TAB D」、「TAB E」にのりを塗り、用紙の裏側に接着します。
まず、完成したペーパークラフトを机などに置いて、1メートルくらい離れて両目で観察してみてください。
組み立てられた通りに顔の部分は凹んで見えるはずです。
これは両眼視差によって、対象の立体的な構造を正しく認識できているためです。
次に、片目を手などで覆い隠して観察してみてください。
そのまま見る場所を変えてみると…
凹んでいるはずの顔の部分が張り出して見え、首を振ってこちらを目で追ってくるように見えます。
片目を隠すことで、両眼視差が使えなくなってしまったために、このような現象が起こります。
さらに、カメラで撮影してみてください。
カメラは単眼(1つのレンズ)で対象を撮影するため、片目で見た時と同様の映像を撮影、観察することができます。
今回の実験では、対象を両目で観察したときはその立体的な構造を正しく認識でき、片目を覆い隠してしまうと両眼視差が使えず、立体的な認識がうまくいかなくなる現象を体験してもらいました。
これは錯視の1つで、人間が経験的に知っている対象を観察する際に、脳が凹面を凸面として誤認識してしまうもので、「ホロウマスク錯視」と呼ばれています。
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