エアコンの冷暖房にも使われているヒートポンプ。ヒートポンプは少ないエネルギーで冷熱・温熱を得ることができる省エネ技術です。
本実験では、ペットボトルや自転車のチューブといった身近な材料を使って、このヒートポンプの仕組みを学びます。
必要な道具
- ペットボトル
- 自転車のチューブ(パンクしたものでも構わないが、虫ゴムは新品に替えること)
- ゴム栓(一般的なペットボトルでは、高さ29mm、直径:25mm-22mm)
- コルクボーラー(ゴム栓に7mmの穴を開けられるもの)
- エポキシ系接着剤(ゴム、プラスチック用)
- 自転車用空気入れ
実験方法
- 自転車のチューブを切断し、バルブの部分のみ切り出します。
- ゴム栓の上半分を切断します。
- コルクボーラーを使ってゴム栓に穴を開けます。
- ゴム栓の穴にエポキシ系接着剤を塗り、バルブを差し込み、接着剤が乾くまで待ちます。
- バルブのついたゴム栓をペットボトルに強く押し込みます。これで実験準備は完了です。
- 自転車用空気入れを使ってバルブに空気を押し込むと、ペットボトルが暖かくなっていきます。最初は比較的小さな力でもペットボトルの温度は上がっていきますが、ペットボトルの圧力が上がると、少し温度を上げるだけでも大変強く押し込まなければなりません。
- この暖かいペットボトルに扇風機の風を当てると、ペットボトルの温熱が周囲の空気に伝わります。このようにして、空気を押し込む力を暖房の温熱に変えることができます。
- ペットボトルの熱が十分周囲に伝わると、ペットボトルは常温に戻りますが、圧力は高いままです。このとき、ペットボトルの空気圧を下げたらどうなるでしょう?
- バルブを緩めると、ペットボトルから空気が抜けて、圧力が急に下がります。すると、今度は、ペットボトルが周囲よりも冷たくなります。
- この冷たいペットボトルに扇風機の風を当てると、ペットボトルの冷熱が周囲の空気に伝わります。このようにして、冷房の冷熱をつくることができます。
エアコンの冷暖房
本実験では、空気の圧力を上げる力を使って、温熱と冷熱を両方つくることができました。市販の冷暖房では、気体の圧力を上げ下げするだけではなく、冷媒の相変化も利用して、更に効率的に温熱、冷熱を作っています。