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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

「七宝焼き」を作ってみよう!

2017年3月31日
京都工芸繊維大学
・工芸科学部 物質工学課程
・高度技術支援センター

七宝焼きは伝統工芸の一つで、金、銀、銅などの金属の上に釉薬を焼き付けたものです。この「おもしろ科学実験」では、七宝焼きを作製する過程を通して、結晶とガラスの違い、金属とガラスの密着、発色の仕組みなどを学びながら、科学の楽しさを知ってもらいたいと思います。

難しい授業ではなく、実験を通して小中学生に対しては「理科離れ」の改善、高校生には、理科系学部の進学意識の高揚の助けになることを期待します。

準備するもの

盛付け用

  • 銅板(市販品 裏引き済)
  • 金属板(盛付け作業用台)
  • アルコール
  • キムワイプ(ティッシュ)
  • 釉薬(水に浸した物)
  • ホセ(竹べら)
  • ミルフィオリ(ガラスパーツ)
  • ピンセット

焼成用

  • 電気炉
  • くら(焼く時の金属台)
  • トング(ピンセット大)
  • 軍手
  • ストップウォッチ
  • ステンレスパッド
  • ステンレス金網
  • やすり

事前に準備しておくこと

  • 電気炉の温度を800℃~850℃に上げておきます。(釉薬やミルフィオリによって温度を変えます。)
  • 釉薬を浸るくらいの水に浸けておきます。(釉薬に不純物があれば取り除いておきます)
事前に準備しておくこと
事前に準備しておくこと

作ってみよう

  1. 釉薬を盛る準備
    アルコールで銅板表面を拭いて炉焼板に載せます。
    *釉薬を盛付けた後、銅板をくらに乗せるので、銅板に対して少し幅の狭い炉焼板を使用しています。
    銅板の裏には熱処理後の変形を抑えるために、あらかじめガラスで裏引きしておきます。市販品もあります。

    釉薬を盛る準備
    釉薬を盛る準備
  2. 釉薬を盛りましょう
    釉薬をホセ(竹べら)ですくって銅板に盛付けます。(塗るではなく、「盛る」という言葉を使います)
    銅板の縁のぎりぎりまで釉薬をのせます。のせすぎると電気炉で融かしたときに、こぼれるので注意
    【きれいに盛るコツ】
    少量の釉薬をすくい取って銅板の上に置きます。盛った釉薬の中心付近をホセで軽くたたいて、釉薬を広げます。

    釉薬を盛りましょう
    釉薬を盛りましょう
  3. 釉薬できれいな絵も描けます

    釉薬できれいな絵も描けます
    異なる色の釉薬を使用する時は、新しいホセを使うか、洗ってから使います。
    *ホセを水の中に入れて少し振ると、釉薬が沈み、きれいになります。

  4. ミルフィオリで七宝焼きをデザイン

    ミルフィオリで七宝焼きをデザイン
    ピンセットでミルフィオリを乗せます。
    あまり端の方に置くと、溶けた時に流れ落ちることがあります。ミルフィオリは融けると大きくなります。

  5. 電気炉に入れる準備

    電気炉に入れる準備
    釉薬・ミルフィオリでの盛り付けが終わったら、銅板をくらに乗せます。
    このとき、くらに釉薬やミルフィオリが付かないようにします。
    しばらく放置して、釉薬表面を少し乾燥させます。

  6. 電気炉に入れてみよう
    くらに乗せたまま銅板を電気炉の中に入れ、800℃で約2分焼きます。
    釉薬によっては焼成前後で色味が変わって見えることがあります。

    電気炉に入れてみよう
    電気炉に入れてみよう
  7. 七宝焼きの完成
    釉薬の表面が滑らかに融けていたら、くらごと電気炉から取り出し、ステンレスパッドの上に置きます。
    しばらくしてから、銅板をくらから外してステンレス金網の上に置いて冷まします。
    ガラスは見た目では温度が分からないので、火傷に気をつけます。

    七宝焼きの完成
    七宝焼きの完成
  8. 仕上げ

    仕上げ
    充分に冷めたら、七宝焼きの完成です。
    流れた釉薬などが銅板からはみ出していれば、やすりで削り落とします。

できあがり!!!

出来上がった七宝焼きはオリジナルペンダントやキーホルダーとして楽しむこともできます。

できあがり!!!
できあがり!!!
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