ここでは、写真測量という技術について紹介しましょう。最近、3Dのテレビや映画がはやっていますが、平面の画面が立体に見えるのは一体なぜなのでしょう。その謎を解くために、ここでは、2つの実験をしてみましょう。
紙コップ 1個
この3つの見え方を写真でとると、図1のようになります。人間の目は、このように両目で違う角度の画像を脳に送って、いろいろな風景を立体写真として認識しているのですね。
この実験から、立体画像は難しいものではなく、カメラがあれば比較的簡単に作れることが分かりましたね。
以上の2つの実験から、2枚の写真画像を使えば、立体写真を作れることが分かりましたね。実はこの技術こそが、3Dテレビや3D映画を制作する基本なのです。これを、写真測量という技術に当てはめると、2枚の写真から、建物の高さや山の高さを計算することができるのです。
それでは、探究心の旺盛な人のために、写真から高さを知るという技術のしくみを図で説明しましょう。図3を見てください。この図は、上空から撮影した2枚の写真からビルの高さdHを求める計算方法がわかりやすく描かれたものです。基本的には左図のように同一の高さのものは、視差(観測地点の位置の違いにより、対象点の見える方向が異なること)の差(Pb-Pa)もすべて等しいはずです。今、A点が写真1の主点直下にあるとすると、右図のように表され、結局、求めたいdHは以下の式を使えば計算することができます。つまり真上から高さのある対象物を撮影した場合、2枚の空中写真を1枚の写真に重ねて、その位置ずれの長さを計算することで、ビルの高さ等を知ることができるのです。このようにして、実際2枚の航空写真と地上の測量結果から、等高線のある地形図が作られています。
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