スクイークというソフトを使ってプログラムを作ってみましょう。スクイークを使えば、マウス操作で簡単にプログラムが作れます。自分で描いたねずみを動かしたり、道に沿って走らせたりしながら、スクイークを使ったプログラムの作り方の基礎をマスターしましょう。
スクイークのアイコンを2回押して、スクイークを始めましょう。最初の画面は図1のようになります。
デスクトップ画面:この上で絵を描いたり、動かしたりします。
を押すと次のメニューが出てきます。
の(お絵描き)ボタンを押してみましょう。図2のようなお絵描きの画面になります(最初は白紙です)。絵を描くには図3の道具を使います。ねずみを描いてみましょう。鼻の色を他と違う色にしてください。描き終えたら(ほぞん)ボタンを押して絵を保存しましょう。
描いた絵を移動したり、回転したりできます。移動や回転するには、まずマウスカーソルを絵の上に置いて、しばらく待ってください。すると図4のように絵の周りにボタンが出てきます。このボタンを「ハロ」といいます。(つまむ)ボタンを押して、マウスを左右に動かしてみましょう。ねずみの位置が移動します。(回転する)ボタンで、ねずみの向きを変えたり、(複製)ボタンで複製したりできます。他にもいろいろなボタンがあるので試してみましょう。ただし(ゴミ箱へ移動)ボタンは絵を捨ててしまうので使うときには注意してください。
また、絵に名前をつけることができます。ねずみの下側にある「スケッチ」という文字を押すと文字が緑色に変わります。キーボードを使って名前(例えば「ねずみ」)をつけましょう。
ねずみを画面の中で動かしてみましょう。 (ビューアを開く)ボタンを押してみてください。図5のようなビューアが現れます。これを使ってねずみに命令します。
まずの左側にあるを何回か押してみましょう。を押すたびに、ねずみが進んでいきます。次にの左側にあるを何回か押してみましょう。
を押すたびに、ねずみの向きが変わっていきます。
を押せば、ねずみを動かすことができました。次はを押さなくても自動的にねずみが動くようにしましょう。ねずみを自動的に動かすには「スクリプト」というプログラムを作る必要があります。実際にスクリプトを作ってみましょう。まず図6のように、ビューアからを移動して、ビューアの外に置いてください。これでねずみをまっすぐに進めるスクリプトができました。
早速、このスクリプトを使ってみましょう。スクリプトの(時計)ボタンを押してみてください。時計の横の文字が「ノーマル」から「チクタク」に変わり、ねずみは自動的に進んでいきます。(時計)ボタンをもう一度押すと「チクタク」から「ポーズ」に変わり、ねずみは止まります。
このスクリプトにねずみを回す動作も追加しましょう。ビューアからを移動し、スクリプトの中にあるの下へ持って行って、緑色の四角形が現れたのを確認して置いてください。これでとからなるスクリプトができました。これは「ねずみを5進めて、5度回す」という意味です。それではスクリプトの(時計)ボタンを押してみてください。ねずみはどう動いていますか?
ここまで作成したプログラムを保存しましょう。保存するにはの「公開する」ボタンをしばらく押し続けてください。すると「公開オプション」が現れるので、その中から「異なるサーバに公開」を押します。つぎに保存する名前をつけます。ここでは「ねずみ」と名前をつけて、「了解」ボタンを押します。最後に保存場所(フォルダ)を指定します。ここでは「I:」(USBメモリ)を選択し、「保存」ボタンを押します。
保存したプログラムを読み込むには、まずの「探す」ボタンをしばらく押し続けてください。すると「検索オプション」が現れるので、その中から「プロジェクトを探す(より多くの場所から)」を押します。「I:」(USBメモリ)を選択し、さらに右側の一覧から「ねずみ」を選択し、「了解」ボタンを押します。
図7のような道の絵を描いて、その道に沿ってねずみを自動的に走らせてみましょう。道の絵を描く方法は「2.ねずみを書いてみよう」と同様です。
ねずみを走らせるには、自分がねずみになった気持ちで考えてみます。道に沿って走るには、自分が道の上にいることを確かめる必要があります。そして道からはみ出たときは、向きを変えれば道に戻ることができます。以下のようにしてみましょう。
まず、ビューアからを出して、ねずみをまっすぐに進めるスクリプトを作ります。
次に、ねずみが道の上にいるかどうかを判断します。ねずみは前にしか進まないとすると、道からはみ出すときは必ず鼻から出ます。ここでは、ねずみの鼻をセンサーとして、道の上にいるかどうかを判断させることにしましょう。スクリプトの右上にある(テスト)ボタンを押すと、図8のテストタイルが現れます。これをの下へ移動し、緑色の四角形が現れたのを確認して置いてください。
テストタイルは次のように使います。
ねずみが道の上にいるかどうかを判断するには、ビューアのカテゴリ「テスト」の中にあるが使えそうです(ビューアのカテゴリを変えるにはの上下ボタンを押してください)。これを「テスト」の横に置いてみましょう。スクリプトの中にが現れます。次に図9のように、センサーの色と道の色を選びます。まず、センサーの色を選ぶために、「モーフは~」の左にある■を押します。するとマウスカーソルが色を選ぶ「スポイト」になるので、ねずみの鼻を押します。その結果、■がねずみの鼻の色に変わります。次に「~触れているか」の右にある■を押して、道の色も選びましょう。
最後に、ねずみが道の上にいる場合と、いない場合にやりたいことをそれぞれ書きます。ここでは、ねずみが道の上にいる場合は何もせず、いない場合はねずみの向きを変えることにしましょう。を「いいえ」の横へ置いてください。スクリプトの例を図10に示します。
それでは、ねずみを道の上に置いて、スクリプトの(時計)ボタンを押してみてください。ねずみは道に沿って走りましたか?
ねずみは思い通りに走ってくれましたか? うまくいかなかった場合は、その理由をちょっと考えてみましょう。例えば
などが考えられます。どうすればうまくいくか、考えてみてくださいね。
スクリプトを作ることで、画面の中のねずみにいろいろな動きを命令できました。コンピュータもスクリプトのような命令の組み合わせ(プログラム)で動いています。
スクイークについて、もっと知りたい人はインターネットで以下にアクセスしてみてください。
http://squeakland.jp/それでは、いろいろ試して楽しんでくださいね。
[1] 吉正他, “数学的・科学的概念の習得を目指したGUI プログラミング環境SqueakToysによる教育実践”, 日本教育工学会第20 回全国大会, 14-1a611-2, pp.737-738, 2004
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