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おもしろ科学実験室(工学のふしぎな世界)

親子でできる吸水性ポリマーの実験

2015年11月26日
和歌山大学 システム工学部

家の中にあるものを使って化学の実験をしてみましょう。

準備

準備するものは、ビーカー複数(クリアカップで代用可)、
吸水性ポリマー(市販のオムツや生理用品から取り出します)、脱脂綿、水、食塩などです。

実験の仕方

  1. ビーカーに吸水性ポリマーと脱脂綿をともに0.5g量りとります。(キッチン用の天秤で量れるとベストです)左が吸水性ポリマーで右側が脱脂綿です。

  2. わかりやすくするためにピンク色に着色した水を使っています。写真はちょうど15mlの水を加えたところです。右側の脱脂綿はもう限界に達して水滴が見えます。しかし左側の吸水性ポリマーはまだ白く残っている部分があり、まだまだ水を吸いそうです。

  3. 水を追加していくと、150mlの水を吸収しました。吸水性ポリマーの重量が0.5gですので、自分の重さの300倍の水を吸収していることになります。

  4. 次は既に水を吸収しているポリマーに色んなものを添加していったらどうなるのかという実験です。家庭の中にある化合物として左から、食塩、砂糖、重曹、塩化カルシウム、クエン酸を用意しました。

  5. 左が食塩で、右が砂糖です。塩も砂糖も順調に溶け始めています。

  6. 左が重曹です。掃除用として売られています。真ん中は塩化カルシウムです。除湿剤として使われています。ここは吸水力対決です。右はクエン酸です。ポット洗浄用として売られています。

  7. 写真は1時間ほど経過した時のものです。砂糖(左から2番目)以外は、ポリマーに吸収されていた水が大量に外に出てきています。

原理

吸水性ポリマーの中では、ポリマーの鎖が網目状になっています。そしてポリマーの鎖にはマイナスの電荷をもつ部分に、プラスの電荷をもつナトリウムイオンが結合しています。水を吸収するとナトリウムイオンがポリマーの外へ引っ張り出されます。するとマイナスの部分が反発を始めて、どんどん網目が広がり、ますます水を吸収していきます。これが自分の重さの300倍もの水を吸える理由です。

次にイオン性の物質を加えると、ポリマー内にイオンが押し込まれ、マイナス部分の反発が小さくなるためにしぼんでいきます。その結果、水が出てきます。クエン酸の場合は、この物質が強い酸なのでマイナス部分に水素イオンを押し込むためにしぼんでしまいます。砂糖はイオン性でも酸でもないので何も変化が起こりません。

※このページに含まれる情報は、掲載時点のものになります。

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