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カーボンニュートラル燃料が変える、エンジンの未来

2026年9月25日茨城大学 工学部
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工学ホットニュース

 電動化が難しい熱エネルギー利用領域では、エンジンをはじめとする熱機関の利用が継続的に必要です。熱機関を利用しながらもカーボンニュートラルを実現するため、水素やアンモニア、二酸化炭素と水素から合成する合成燃料の利用が検討されています。これらのカーボンニュートラル燃料は既存燃料と燃焼特性が異なることから、新たな燃料を用いた熱機関の研究は熱エネルギー利用領域のカーボンニュートラル化に向けて必須です。さらに、近年増加するAI利用によりデータセンターが設立されていますが、増加する電力消費量を支えるため熱機関を用いた発電機の導入が激増しています。新たなAI社会を支える電力の安定供給にも熱機関は必須であり、熱機関を用いながらもカーボンニュートラルを実現しなければなりません。

カーボンニュートラル燃料を用いた熱機関の研究 カーボンニュートラル燃料を用いた熱機関の研究

テーマの利用・大学での取り組み

 カーボンニュートラル燃料である水素やアンモニア、合成炭化水素燃料は、既存のガソリンや軽油と異なる燃焼特性を持ちます。そのため、各燃料の基礎燃焼特性を把握し、それに最適な熱機関を構築していくことが求められます。茨城大学の熱機関研究は、カーボンニュートラル燃料を用いた実機関の機関性能、排気特性の取得だけでなく、急速圧縮装置やフローリアクター、定容容器を用いた燃料の基礎燃焼特性も明らかにしています。さらに、分子レベルでの燃料の酸化過程を紐解き、化学反応レベルから燃料の最適な燃焼法に関する研究も実施しています。燃料の特性をミクロからマクロまで、基礎から応用まで一気通貫して明らかにすることができる日本では稀有な研究体制を整え、熱機関を用いたカーボンニュートラル化に向けた研究を推進しています。

車両に搭載したエンジンの排出ガス計測システム 車両に搭載したエンジンの排出ガス計測システム

今後の展望

 カーボンニュートラル燃料を用いた熱機関の利用は、大気中の二酸化炭素濃度削減に貢献しますが、燃焼技術であることから、二酸化炭素以外の温室効果ガスや、大気汚染物質の排出懸念があります。そのため、それらの排ガスを削減する研究を推進することが課題です。さらに、カーボンニュートラル燃料は、どれもエネルギーを導入して製造しなければなりません。そのため、燃料合成を効率よく進める研究も加速する必要があります。一方で、合成するのであれば熱機関の熱効率を最大化するのに最適な燃料仕様にすることもできなくはありません。そのため、熱機関、燃料合成と細分化して研究するのではなく、これらの研究者が情報交換をしながら、燃料合成から利用まで無駄なエネルギー消費をしない研究を進めていくことが必要です。それについては、茨城大学カーボンリサイクルエネルギー研究センターでも進められており、今後の研究成果が期待されます。

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